2008-01-01

雪正月


朝、いつもより遅い時間に散歩に出たが、昨夜は夜更かしをした人が多かったのだろう、僕とJackie以外は外を歩いている影はなく、何となく間の抜けたような締まりのない空気の中を、決まりきったコースをトレースするように移動してゆく。西の空を見れば灰色のグラデーションを持った雪雲が山々の峰を越え、平野部へ迫ろうと攻勢を強めているようだ。風は更に強まり時折雪も混じり、刺すように冷たい。足元ではJackieが寒さなんかそっちのけで盛んに臭いを嗅ぎ回っている。『お前は寒かーないんか?』と呟いてみても、草むらに頭を突っ込んでまるで聞く耳を持たない。背中には正月の朝日が当たり心地良いぬくもりを与えてくれるが、今日の寒気の様子を見ればじきに空は灰色に覆われてしまうだろう。ふと気配を感じ上を見上げると、つがいだろうか?カラスが2羽うまく風を避けながら朝日をいっぱいに浴びて膨らんでいた。『さすが頭ええなー』と言うこちらを『あたり前やん!』と言わんばかりに見下ろしている。
午後、実家に行くと激しい降雪に見舞われた。みるみる辺りは白くなり、すべてのモノの輪郭はぼやけていった。このまま降れば相当積もるな・・と思っていた雪も夜には上がり、冷めた闇の中でいつものように星が瞬いていた。
365分の1日はかくも平凡に過ぎていった・・

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