2007-04-30

決断の時?


ウチの近所にリフォームをして売り出してからもうじき1年程になる中古物件がある。近所のためリフォームをされる前から知ってはいたが、一度中を見てみたくなり内覧に出かけた。今まで選択の対象から外れていた理由は単に値段が高かったためだ。始めよその不動産会社から売りに出ていたときは確か2480万だったはずだ。それをリフォーム会社が買い取り、かなり手を加えて3380万で売り出したのだが、いくらリフォームしたとはいえ築35年の物件がその値段では買い手は付かんわな。そんな理由で資料も捨ててしまっていたものがにわかに浮上して来たのはここ最近妻の考えが変化して来たためだ。と言うのも今住んでいるアパート周辺にはウチの子供達と同世代の子が多く、自然とその母親達とも仲良くなりコミュニティーのようなものができていて、その中でお互いに保育園や幼稚園、病院などの情報を交換したり、旦那や姑の悪口を言ったりしながら助け合って?いるようなのだ。アメリカ人の妻にとっても学校に関する情報などはなかなか得難く、重要な情報もそこからもらってくるようなもので、近所にウチの子達と同じ学校に通う子がいてくれると、その子の親にいろいろ聞けるので安心だと言うのだ。確かに今まで家を探していたときは『人との絆』というものをあまり意識しないで探していたと思う。同じアパートの友達が、親が実家に別宅を建ててくれるというので始めは喜んでいたが、その近所は年寄りばかりで子供がいないから寂しいし、心配だ・・とこぼしていたという。自分達もアパート住まいはあくまでも仮住まいだと考えていたが、7年も住んでいると本人の思惑とは別のところで確実に根を広げていたようだ。山手の見晴らしの良い土地に家を構える構想もあるが、そこでは完全に子供達は孤立してしまうだろう。環境の良い所で子育てをすることも大事だが、それは大人の一方的な考えであって子供達には仲間の方が必要なのかも知れない・・とにかく今日は一つ手を打って銀行にローン審査の申請書を出したのだ。審査が通るなら近所の物件について交渉をしてみても良いと思い始めている。

2007-04-29

サイン


昨日の熱がすっかり引いた上の子が動物を見たいと言うので郊外にある市民公園に向かったのだが、見通しの良い直線道路に来た時どうも嫌な予感がしてきた。すると案の定レーダーがピリッピリッと警告音を発し始めるではないか!間違いかも?と疑っていると反対車線を走って来た軽トラがパパッとライトを点灯し、親切に教えてくれた。数百メートル行くと警官がまるで狙撃手のように草むらに潜み、連休の幸せ気分をぶち壊してやろうと虎視眈々と狙っていた。思えば『あっちで取り締まりをしているぞ!』と教えてくれる車も減ったものだ。今日の軽トラも年配の方だったので教えてくれたのだろう。バイクに乗り始めた頃はトラックがわざわざ教えてくれたのにそれと気づかず捕まってしまったこともあった。そうだな、バイクと言えば15年ほど前はツーリングをしていて向こうからバイクが来るとピースサインや手を挙げるなどして『やあ!』などと挨拶を交わすのが楽しみの一つだったが、今では手を挙げても無視されるか、おかしな顔をされるかのどちらかだ。もちろん30代半ば以上の人ならば答えてくれるとは思うが・・
こういう所にも今の日本の風潮が見え隠れしていると思うのは大げさなことだろうか?『自分さえ良ければいいや』『人のことなんか知るか』という考えが大手を振って歩いてはいないか?今日の軽トラの親父さんの配慮はちょっとしたことかも知れないが、僕はうれしかったな。そんなちょっとした配慮が大変貴重な時代になってしまったのだ。

2007-04-28

発熱


熱が出たといっても自分のことではない。昨夜何となく上の子の体温が高いな・・と感じてはいたが、4時頃になって触ってみると相当な熱さになっている。本人も苦しんでうまく寝れない状態だったので薬を飲ませるとすぐに熱は下がりだし、8時頃まで寝てくれた。今週は保育園の一時保育に2度行ったのでその時にもらって来たのかも知れないが、いきなりの高熱なのでもしやインフルエンザでは?と疑い病院へ。受付を済ませ体温を計ってみるとぐんぐん上がりだし、39度ほどにまでなってしまった。さすがに目は潤み、朦朧としているようだったが待ち時間の間にはしっかりアンパンマンの絵本をリクエストするのを忘れなかった。鼻の奥深くに綿棒を突っ込まれ、試薬の反応を待つこと15分。結果はA・B型ともにネガティブで一安心。ただの風邪のようだ。とはいえ、これを大人がもらえば大変なことになるだろうから用心せねばならんが、時既に遅し・・かも知れんな。怪しげなくしゃみが出るし、首の付け根の辺りがどうもだるいしね。チョコでも食べて防衛するか。

2007-04-27

思考力低下


どんなに忙しくても、どんなに仕事が溜まっていても残業などしない主義なのだが、新しい現場に入ってからはそうはいかなくなってしまった。今週は現場事務所を出るのはずっと19時を回った頃で、世間一般のサラリーマン同志に比べるとまだまだ早い方なのかも知れないが、自分にとっては数年ぶりのことなのだ。残業代などいらんのでさっさと帰って子供達と遊んでいたいわさ。
肉体的な疲労はある種の心地良さを誘うものだが、精神的な疲労はどうもいただけないな。だいたい仕事なんかのことで頭を悩ませないかんことが腹立たしい。それと同調するように想像力思考力が急低下してゆくのがよく分かる。投げやりになることは自己防衛本能でもあるな。どうも自分にはそぐわないサイクルの中に取り込まれてしまったようなので、なんとか脱出し違う価値観の空気を吸入しんといかんな。

2007-04-26

恐ろしきこと


今日の任務は古びて表面いっぱいに色々なカビの発生したコンパネ(ベニヤ板)数枚をある現場に運ぶということだったが、運搬途中に思わぬ事態に陥ってしまった。ある一級河川に架かる大橋を越えた時に橋の付け根のギャップで荷台の荷物が大きく跳ね上がり、ドサン!となったが『なんの、これしき!』とそのまま車を走らせると、突如運転席が猛烈なホコリに覆われるではないか。始めは何が起こったのか分からなかったが、そうかさっきの衝撃でコンパネに付着していたホコリが舞い上がったのだ・・て、これってひょっとしてホコリじゃなくてコンパネの表面に発生していたカビじゃねーの?!速攻で窓を全開にして強制換気をしたものの相当量を吸い込んでしまっただろうな。あのカラフルに発生していたカビの胞子が我が肺に侵入したと思うとゾッとする。一瞬『腐海の森』でマスクをはずしたナウシカの気持ちが分かった気がした。

2007-04-25

児童手当


家に帰ると市役所から封書が届いていた。多くの場合手続き上の問題で何かの書類を追加で出せだの、保険の切り替えをしていないだのというどうでも良いような内容のものが送られてくるのだが、今回は珍しく違った。開けてみると4月より法改正に伴い児童手当の給付金額が変更になり今まで2人で月額1万円だったのが、倍増され2万円になるといううれしい内容だった。月額で1万増えるとなると結構な助けになる。増える分にはいくら増えていっても構わんのでじゃんじゃん上げて欲しいものだ。ただ書類をよく読むと3歳未満が1万ということで3歳以上は半額の5千円になってしまう。上の子は6月で3歳になるのですぐに減額となってしまうわけだな。まあ、徐々にではあるが育児に関する手当も増額または新設されているので歓迎はしたいが、こんなことはすべて小手先のことでしかなく根本的な少子化対策などとはまったく無縁のものだと思う。親としてみれば手当の月額を上げてもらうよりは、保育園幼稚園に入園するのを待たされたりくじ引きで選ばれたりすることなくいつでも受け入れてくれ、なおかつ今の就労状況に対応して長時間保育を実施するような余裕のある保育体制を確立してもらいたい。さらに、保育園幼稚園も義務教育期間と同様に無料にしなければならないと思っている。それくらい思いきったことをしなければ今の社会的状況下で子供を何人も生み育てたいという人たちはなかなか出て来ないだろうな。

2007-04-24

持つべきか持たさざるべきか?


アメリカの銃規制に関するアンケート調査で60%ほどの人が『銃を持つ権利』を奪うことに反対という結果が出た。そもそも銃の所持を許さない国で育った者としては異常にしか思えない。単純に銃を所持する者が少なければ銃による犯罪も減少すると思えるのだが、かの国の人々には『気違い野郎が銃を持って襲って来たらどうやって反撃するんだ?』ということしか頭にないようだ。事実、今回の銃撃事件を受けて銃規制への声が高まる一方で新規に銃を購入する者も増えているという。じゃあ、実際に『所以気違い野郎』が襲撃して来てそれを銃によって防御できたケースはどれほどあるのだろうか?銃をいつも携帯していたとしても不意に襲われたら反撃などできるものではないだろうに。かえって防衛のために購入した銃が人を傷つけることになることのほうが多いんじゃないか?妻から聞いたことだが、各家庭に銃があるかないか?を知るにはその家の子供に聞くのが一番だそうだ。大人は嘘を言ったりはぐらかしたりして誤摩化すが、子供は正直に答え、しかも親達が子供に知られぬようにこっそりと隠しているつもりでも、ちゃんと見ていてどこに何があるのか完璧に知っているらしい。よく親の銃を持ち出して犯行に及ぶこともあるが、銃が自分の手に届くところにあれば使おうと思う輩が出るのは当然のことだろう。その手から銃を奪うことが何よりも先決だ、とよそ者の僕は思うのだが・・銃の問題はアメリカという国の体質そのものの問題でもあるな。

2007-04-23

Power


今日から違う現場となり、いろいろ心労やら不安も多い。そんな時でも家に帰れば子供たちが『Daddy!Daddy!』と言いながら笑顔で出迎えてくれる。よいしょっ、と抱き上げてやると本当にうれしそうだ。そんな顔を見ているとこちらの心配事などはキレイさっぱり吹き飛び、どうでも良いことだったと思えてくる。そのリフレッシュ作用は相当なものだな。子供達からは元気をもらっているのに自分は一体何をあげてやれるのだろうか?

2007-04-22

大変迷惑


やっとこさ選挙が終わった。選挙の度に思うことだが『○○をよろしくお願いします!』と絶叫する宣伝カー、あれはどうにかならんものなのか?やかましいったらありゃしない、はなはだ迷惑だ。とくに小さな子をやっとこさ寝かしつけたところに彼らが来て絶叫されると爆破してやりたくなる。そもそもあの宣伝カーの絶叫を聞いてその人に投票してあげようと思う人がそんなにたくさんいるのだろうか?むしろ『なんてやかましいんだ、いいかげんにしろ!』と思っている人の方が多いんじゃないかな?自分なら人の迷惑も考えず騒音をふりまくような輩には決して一票を投じない。ただ、ここ最近は年々宣伝カーの出動数が減って来ているように感じるが実際はどうだろうか?時代の流れに合ってないよね。アメリカ生まれの妻が自分の国のまるでお祭り騒ぎのような選挙を棚に上げて、この宣伝カーを激しく罵っているのはちと面白い。まあ、確かにアメリカではいくら選挙で騒ごうが住宅地にまで入り込んで、あたり構わず立候補者の名前だけを喚き立てるような愚かなことは許されるはずもない。もしやればすぐに裁判沙汰になるか、銃撃されるに決まっている。案外正当防衛と認められたりしてね・・

2007-04-21

Jet lag


最近の週末は子供たちがいないことにかこつけて大体9時頃までは寝ていたが、今朝はなんと5時前に起こされてしまった・・結局昨晩は上の子を11時過ぎに寝かしつけ、なんだかんだやっていて寝たのが1時頃だったから眠いのなんのって。ところが子供たちは睡眠時間が短かったにもかかわらず気がつけば寝床におもちゃを持って来て元気一杯遊んでいる。妻に助けを求めると『私は3時から起きて面倒見てるから今度はあなたの番!』ときたもんだ。う〜ん眠い!でも上の子が『I'm hungry Daddy!』と言いだしたので奮起して朝ご飯作ってあげたわさ。その後上の子と2人で恒例の買い物に行くと、おもしろいことにいつもしていたことはしっかり憶えているので同じことをするのだが、それに対して話す言葉だけがまるっきり英語に置き換えられていた。もちろん英語だけを話すようになったからと言って日本語を忘れてしまったわけもなく、僕が言うこともしっかり理解している。今はたまたま表現のスイッチが英語側に入っているという感じかな。それにしてもだ、英語の表現力では完璧に上の子に抜かれてしまった・・自分にもかつてはそんなやわらか頭の時期があったなんてとても信じられぬな。

2007-04-20

帰国


妻と子供たちが無事帰国した。乗っている飛行機の着陸を見たのは今回が始めてだったが、あまり気分の良いものではないな。これからは見ないことにしよう。久しぶりに会う子供たちは僕にとってはずいぶん変わったように感じた。上の子は毎度のことで到着ゲートから出て来ても目を合わせようとしない。それでいて全身で僕のことを意識しているのが感じられるので、いじらしくてたまらない瞬間でもある。下の子はよほどあちらの栄養条件が良かった(母体経由で)せいかひと回り大きくなり、自分でおすわりをして遊べるようにまでなっていた。僅かひと月といえども子供の成長は驚くべきものだな。渡米前は日本語を多く話していた上の子も今はほぼ英語しか話さなくなり、しかも僕の知らない表現を使ってあーだこーだ言っている。なにを言っているのか妻は完璧に理解できるのに、僕には聞き取れないのだ。悔しいような、悲しいような、感心するような、複雑な気持ちだ。でも、そのうちまた日本語に染まっていくんだろうな、そして再び渡米して英語に染まる。そんなことを繰り返していたら一体どうなるのかは分からないが、まあ、なるようにしかならんだろう。
上の子は時差の関係でこの時間でもぱっちり起きて隣の部屋を破壊している・・妻と下の子はとっくにダウンしているというのにだ!穏やかな日々などどっかに消し飛び、再び10倍速的日常が始まったのだ。

2007-04-19

甘い罠


彼はそんなに特別な人間だったのか?
ヴァージニア工科大学乱射事件のその後の報道は犯人が韓国籍の人間だったこと、社会に対して恨みを持っていたこと、挙動が異様であったことなどを中心にしつこいほど繰り返されているが、それらは巧妙に仕組まれた情報操作にほかならない。彼が韓国籍で社会に対し恨みを持っていたという事実に、政府を中心とした多くの者が『助かった!』と思ったはずだ。この事件がコロンバイン事件のようにアメリカ国籍のごく普通の白人少年が起こしていたとしたら、その衝撃は計り知れなかったことだろう。銃規制を求める市民運動の高まりも現在の比ではなく、銃擁護派のブッシュ政権に対する圧力も相当なものになっていたと思う。しかし、彼は『アメリカ人』ではなかったのだ。彼を韓国籍の反社会的異常人間であるとすることで『我々とは違う』ことを強調し、事件の本質をうやむやにしている。アメリカ人の多くはその報道を見て『ほら見ろ、やっぱりこんな無惨なことをするのは俺たちじゃなかった!』『これは外国籍の気違い野郎が起こしたことなのだ』と自分達の自尊心を満足させているのだろう。それこそが政府の思う壷なのだ。事件の本質を追求すれば影響は多岐に渡り、多くの諸問題が噴出し大混乱は必至だ。それを避けるためには彼を特別な存在に祭り上げなければならなかったのだ。

2007-04-18

trip


あるとき突然何の脈絡もなく過去の記憶がよみがえる、そんな経験は誰しもあるはずだ。人や風景、音や匂い、その時々によって記憶を誘発するものは違うだろうが、それらの事象は一瞬にして脳内に入り込み忘れかけていた感覚を呼び戻してくれる。しかも驚くほどにその再現性は高いのだ。自分の今までの経験からすると『匂い(臭い)』が一番ダイレクトに記憶を呼び覚ますようだ。街をぶらぶらと歩いていると突然以前旅したある街の風景がよみがえる。なんだろう?と思うと、ああ、なるほど・・この匂いのせいか、ということになる。自分が旅をしたいという欲求が強いため余計敏感に反応しているのかもしれない。それにしても記憶とは不思議なものだ。思い出そうとするとなかなか正確に思い出せないのに、何かのキーがあればまるでビデオで再生するように思い出されてくる。自分が経験した過去の出来事は、実はすべて脳内に正確に記録されているのかもしれない。ただそれらを再生するそれぞれのキーが分からないため、過去の記憶として眠ったままになっているのだろう。

2007-04-17

やりきれぬ死


こんなことを何度繰り返せば分かるのか?あと何人の若者の血が流れれば事が、心が動くのか?
正気と狂気の狭間の中で『自由を!』『権利を!』と叫び、暗闘する。抜き払った諸刃の剣で皆を傷つけ、己をも傷つけ、なおも血に飢えている。『自由』とは何か?『権利』とは何か?を体現して来たこの大国が、今それらの毒にあてられ軋み始めている。今回の事件のニュースを見たとき、多くの人が『これはプロローグだろう』『また起きるに違いない』と感じたのではないか?この事件を一過性の大惨事ととらえる人は少ないだろう。コロンバインの乱射事件より月日は経った、だがどうだ、手口はより巧妙に、執拗に、残虐になって戻って来た。自殺した犯人の真の心境はもはや誰にも分からぬ。それを解明したとて無駄な事だ。もはや死者は還らず新たな死者を防ぐ事もできない。32人の若者は何で死んだのか?何のために死んだのか?射殺されるために生まれて来たはずはない。
亡くなりし人のご冥福をお祈り致します。

2007-04-16

難しきこと


ここ最近の週末は密かに良き土地はないものか?と方々を尋ね歩いているのだが、こちらの希望通りのものとなるとやはりなかなか無いものだ。もちろん中古物件にもこれまで通りアンテナを張り巡らせてはいるのだが、出る物件の数が少ないのと良い条件のものはほとんど出ないという難しさから選択肢を広げ、なんと大それたことにいっそのこと家を建てちまおうかと考え始めている。と言っても資金面で大問題があり土地はまず1千万で抑えなくてはならないし、家も2千万ほどが限界だ。合わせて3千万で諸費用やら何やらで結局3千5百万ほどにはなるだろう。いやはやとてつもない額だ。だが、自分で建てるとなればある程度気に入った土地を選べ、建家も自分達の希望通りにレイアウト可能だ。自分達が欲しいもの、気に入ったものならば借金を抱えても納得できる。そうは言うもののやっぱ厳しいよな・・こんなこと言ってもしょうがないけど土地持ちは強いわさ!土地代が浮けば十分射程圏内なのにね。地元で売りに出ている新築物件は概ね土地坪60坪ほどで3千万前後。大手ハウスメーカーとなると4千万ほどにもなる。それが結構早く売れて行くのだから驚きだ。やはり実家の為せる技なのか?

2007-04-15

遭遇


先日のタヌキに続き、今日も珍しいヤツと出会うことができた。平野を一望できる山の手の道をカメラをぶら下げて歩いていると、そいつは民家の庭先からひょこひょこと現れたのだ。今回も始めはよく太った猫だな・・と思ったが、猫にしてはあまりにも短足でまるまるし過ぎている。タヌキとも違うようだしな・・と、僕に気づいていないのかにおいを嗅ぎながらまっすぐこちらに向かってくる。よ〜く見るとアナグマじゃんか。写真を撮ってやろうと構えると、殺気を感じたのかハッ!と気づいて側溝の中に逃げ込んでしまった。見かけもそうだがどうもひょうきんなヤツで、側溝の中に逃げ込んで安心したのか金網状の蓋越しに丸見えなのに余裕で何かを物色している。トン!と蓋を蹴ってやると、なにごとか!とびっくりして逃走して行った・・全神経は常に下に向けられているらしい。近所では祖父母の家に遊びに来たであろう幼な子が、きゃあきゃあ言いながらおばあちゃんの草むしりを邪魔していた。
ただそこにいるだけで癒されるような、そんなところだった。

2007-04-14

潜伏


オイル交換をしようとプレマシーのボンネットを開けてみて驚いた。なんと黒いプラスチック製のエンジンカバーに明らかに猫のものと思われる足跡がついていたのだ!始めは目を疑い、足跡のように見えるだけでは?と考えたが、やはりどう見ても足跡なのだ。なるほどよくよく見るとエンジンカバーとボンネットの間は閉じたとしても15cmほどの隙間ができそうだし、エンジンの裏側を覗いてみると猫ならば侵入できそうなスペースがある。そういえば寒い時期に道路工事の関係で仮設駐車場に止めていたときはなんども車の屋根に足跡をつけられていたものだ。おそらくその時にエンジンの暖かさを求めて忍び込んでいたのだろう。その話をガソリンスタンドの所長をしている義理の兄に話すと、そんなことはよくあるそうで、たまに逃げ遅れた猫がファンベルトなどに巻き込まれ死んでしまうケースもあるという。ボンネットを開けると猫が死んでるなんて・・考えるだけでも恐ろしい。車に足跡つけるのも許す。屋根の上でひなたぼっこしてても構わん。だから、たのむからボンネットの中には入らんといて。なんて言っても無駄だろな・・困ったもんだ。

2007-04-13

共存


仕事からの帰り道、前方の車道を何か小さな影が横切った。大きさからして猫だろうと道路脇でモゾモゾしているのを見ていると、猫にしては足が短く、ずんぐりむっくりしている。どうも変だな・・とその時こちらを振り返った。なんだ、タヌキじゃないか!道理で動きがもったりしているはずだ。そうか、こんな所にもいるんだな。周りの風景はのどかな田園地帯といったところで、タヌキがいようが全然不思議ではないし、この辺りの田んぼではキジも普通に見ることができる。一時は開発や環境の激変で姿を消していたのだろうが、ここに来て人間の生活圏の隙を突き、したたかに浸透しつつあるようだ。彼らのような野生動物を見かけるようになったからと言って、自然環境が戻りつつあるだの、人間に慣れて来ただのとは思わない。そんな人間本位の傲慢な考えは捨てるべきだ。彼らはただ隙あらば自分達の生活圏を広げようと狙っているに過ぎないのだ。人間の築いた帝国はもはや崩れまい、と過信していないか?あらゆる生物は今、人間帝国に浸透、侵入し、徐々にその勢力圏を広げつつあるのだ。高耐性菌ウイルスや新型インフルエンザ、花粉だってそうだろう。自然との共生共存とは本来とてつもなく厳しいもののはずだ。人間様の優位がいつまで続くかは分からないが、その砦の包囲網が年々勢力を増しているのだけは確かだ。

2007-04-12

迷い


アメリカに移住することを考えぬでもない。5年ほど前に一度グリーンカードの申請手続きまでやったこともある。が、結局何があったのか、どうして途中でやめたのか憶えてはいないが残りの書類はほったらかしになっている。将来的に移住する可能性としてはかなり高いと思う。妻が一人っ子なので老いた母親を介護するために行かねばならなくなるはずだ。自分としては国、政府に対する好き嫌いは別としてアメリカに移住することに抵抗感はあまりない。住む環境としてのアメリカは当然のごとくいろいろな問題があるにせよ、多くの点で今の日本に比べ優れているのを認めざるを得ない。子供に対する教育もそうだ。アメリカが特別優れているなんてちっとも思わないが、ウチのようにハーフ(正確にはクウォーター)の子は何かと目立ち、いじめを受けるリスクが非常に高いと思う。多人種、多民族のアメリカにおいてはその心配はかなり低い。
アメリカに移住した場合なにが一番困るか?それはもちろん仕事だ。十分に言葉が操れない者が行っても仕事にありつけるチャンスは少ないし、ろくな仕事ではないはずだ。その辺りのことがクリアできなければ移住は難しい。とにかく自分達には多くの選択肢がありそのどれを取っても生活環境はガラっと変わるだろう。選択肢があるだけ良しとしておくかな。

2007-04-11

ホームシック?


こうやって一人で居るのはつまらないことだな。家族がいて毎日ドタバタわいわいやっていると、あっという間に時間が過ぎて時には疲れうんざりもするが、いざいないとなると何やら毎日の生活に張り合いがなくなり、物足りなさや虚ろさを感じる。家族が出国する時は『ああ、あれもできる。これもしたい。』などと指折り数えて楽しみにしていたが、今日までその内のいくつをやれたかというとロードスターのオイル交換ができたことくらいだ。何も難しいことじゃないからその気になればすぐにできることばかりなのに、どうもいまいち乗り気になれない。まあ、一人の状態が長く続けば自然とスイッチが切り替わって精力的に動くようになるのだろうが、期間的にひと月というのは中途半端だと思う。曖昧なグレーゾーンの中でウロウロしているだけで終わってしまうような、そんな長さだ。海外を2年半さまよっていても、まったくホームシックやら帰りたいと思ったことはなかったが、いまは逆に自分ひとりだけ家にこうしていると『ホームにいるシック』になってしまいそうだ。

2007-04-10

けっこう毛だらけ


今年もこの季節がやって来たか・・と言っても花粉や黄砂のことではない。猫どもの抜け毛のことだ。冬毛がぼちぼちと抜け始めているのだが、一匹は長毛種なのでその抜ける量が尋常ではないのだ。ヤツが動き回ったあとには必ず抜け毛の束が残されている。なのでおのずと行動範囲も特定できるのだがお気に入りの場所を見てみると、ここで毛をむしったのか?と思えるほどの抜け毛の量だ。巨大エチケットブラシを用いてなでてみると、うわっ!というほど取れてくる。そこにへばりついていた毛をすべて取り、丸めてみるとテニスボールほどの大きさになった。これでまだ抜け毛の序盤なのだからたまったものじゃない。毎日掃除機をかけないと家中に毛玉が発生し、すべてのものに毛が侵入してくる。服や布団に付く毛の量もすごいだろうが、もういい加減諦めた。始めの頃はご飯の中などに毛が混入していると取り除いて食べたものだが、今では隠し味として気にせず食べている。マメにブラッシングをしていた時もあったがすればするほど毛が抜けてくるようで、しかもそこら中に飛散し逆効果になってしまった。ならばいっそのこと羊のようにバリカンで刈ってしまおうとも思うが動物虐待で訴えられそうだな・・

2007-04-09

anniversary


あぶないところだった・・今日が6回目の結婚記念日であることをすっかり忘れていたのだ。妻がアメリカ滞在中なのでうっかり忘れても大丈夫じゃないの?と、思うかもしれないがそうは甘くないのだ。必ず電話がかかってくるはずで、その時に『ただいま留守にしていまーす』なんてメッセージが流れようもんなら、この先10年は文句を言われ続けることだろう。そんなことはまっぴらなので急いで帰宅し留守電を確かめると・・ふ〜間に合った。これでなんとかご機嫌は取れるなと一安心。しばらくすると案の定かかってきました!『Happy anniversary!』と交わし、はて何回目だろうかと考える。妻がすかさず今年で6回目、ということは一緒に居るようになってからもうすぐ10年になると言う。10年!か・・お互いにそこで一瞬無言になったのは笑えたな。

2007-04-08

虚脱


絶好のオープンカー日和にて満開の桜の下を流しつつ、身体いっぱいに春を感じることができました。
午後からは実家にて昨日に引き続きPCのデータ移行にチャレンジしたのだが、ダメだ!もう諦めたぞ!やはり何度やってもうまくいかんのだ。ただ単にメールのデータを移行したいだけなのだが、ThunderbirdがいまだVistaに正式対応していないためインポートの段階で蹴られてしまうのだ。ならば!と考えられる他の方法をいろいろ試してみたが、データの移行がうまくいきそうなタイミングでPCが何度もフリーズし、移行ができなかったばかりでなくアプリケーションそのものに不具合を来たすという悪魔的循環に陥ってしまった。結局Vistaに対応したThunderbird2の登場を待つことにしてデータだけをバックアップし、Win98は隠居させた。今週末はWin機に翻弄され通しだったな・・やっぱ自分はMacがいいや。

2007-04-07

新旧


いや〜疲れた。さっきまで実家にてPCのデータ移行などをしていたのだが、こういうことはなんですんなりいかんものなのか?実家はWin98で最近は突然ダウンすることが多くなり、この際ということでDellの最新ノートをキャンペーンを最大限に利用して購入し、そのセットアップをまかされたのだ。OSは出たばかりのVistaで、使ってみた感じではXPよりは確かにマイクロソフトが言っているように直感的な操作イメージで作られているようだが、結局のところあまりにXPなどと異なってしまうとユーザー離れが起きてしまうと恐れたためか、基本的なところはあまり変わっていない。それどころか無理にビジュアル的な面を強調しているため相当動作が重くなってしまったようだ。実家のDell機はコアデュオでメモリ2Gも積んでいるが、そのスペックなのにこんなもんかというスピードだ(と言っても98よりは断然早いが・・)。やはり直感的な操作性ではMacにかなうものではないし、そもそも比べるべきものじゃないのかも知れないな。なんて、文句ばかり書いているが、とどのつまりはうまくセットアップできなかったから八つ当たりしているだけなのだ。データも98とVistaじゃひらき過ぎていて、細かいことでいちいち引っかかるんだよね。しかも『不正な処理をしたブブン!』と出よるわ、突然落ちるわで、完全に主導権はPCにあり。なんとかして明日中に片を付けるつもりだが、果たしてその結果や如何?

2007-04-06

tripod


現場事務所にて餌を与えていた足折れ猫(密かにtripodと名付けていた)が、とうとう今週は姿を見せなかった。月曜や火曜に姿を見せない時は今までもあったが、週間を通してというのは始めてだ。最近は何があったのか折れた足の傷が再び開き、そこら中に血の跡がついていた。最後に姿を見た時はそれでも元気な様子で餌をねだってすり寄って来たし、流血も止まっていたようだった。どこへ行ったのか?何があったのか?車に撥ねられてしまったか・・傷が悪化し命を落としてしまったか・・誰かに拾われたか(可能性は限りなく低い)・・作業員さんが言ったように子を産みに行ったか(孕んでいるようには見えなかったが)・・こちらはただ想像するだけだ。傷が再び悪化したとき動物病院へ連れて行っては?という話も出たが、僕は動かなかった。何もしなかった。病院へ連れて行ったtripodを再び野良にすることは僕にはできなかったと思う。かと言って家で飼うことも難しかった。ある人が言った『最後まで面倒見切れんのに餌だけあげるなんて余計かわいそうだ』という言葉が何度も頭の中によみがえってくる。やはり自分は間違っていたのか?tripodよお前は生きているのかい?

2007-04-05

理解無理解すれ違い


どうも電話で話すのは苦手だ。昨夜もアメリカから電話があったのだが疲れていたせいもあり、妻の問いかけに『ん』『ああ』『分からん』と、素っ気ない返事をしていたら『話す気ないなら切る!』と怒りだしてしまった。そこで素直に謝ればよいものを『もう少し気を使ったらどうなんだ!』なんて言ってしまったからもう大変。こちらはただでさえ話す気力も失せているのに、のべつまくなく捲し立ててくる。アメリカ人を怒らせると凄まじいものだ。いい加減学習せんといかんな・・結局耐えきれなくなってこっちから電話を切ってしまった。するとどうだ、すぐにメールが来て『もう電話せん!』ときたもんだ。いやはや・・自分が招いたこととは言え、なんともやりきれない。こちらの言い分もあるが『I'm sorry』メールを返しときました。でも返事が無いな。さてはてどうなることやら・・

2007-04-04

以心伝心


人はなにで動くと思う?金か?時間か?習慣か?まあ、それらで動いている人も多いだろう。だが、そんな輩に用はない。人は心で動くのさ。だからこそ自分の心を伝える努力をしなければならない。いくら言葉を並べても、いくら体裁を取り繕っても心に響かなきゃ人は動かないさね。人を動かそうと思うなら、心でぶつかっていかなければダメだ。そんな覚悟なくして一体何を成そうというのか?

2007-04-03

見ること


常に何かを見ながら生活しているはずなのに、その実ただ見えているだけという場合がほとんどだ。毎日通っている道なのにある日『あれっ、ここにこんなものあったっけ?』と気づくことがある。そのようにしていかに多くのものを見落としていることだろう。一つ一つのものはある日その個性を失い、風景の中に溶け込んでしまう。輝きは失せ、既成のものとして自動的に処理され葬られる。自分は本当に見ていたのだろうか?見たつもりになっていただけじゃないのか?角度を変え、ポジションを移動しもう一度見直そう。そこには何かがあるはずだ。自分があっさりと見落として来たものが、いつか光を放ち始めることになるかも知れない。

2007-04-02

帰国と訪問


妻や娘たちが無事にシアトルからコネチカット州へ移動したようだ。そこでもう2週間滞在する予定だ。妻にとってはアメリカに行くことが帰国となるが、僕にとっては訪問となる。じゃあ娘たちにとってはどうなんだろう?と、そんなどうでも良いことを考えていたら電話が鳴った。シアトル滞在中は叔母の家ということと時差の関係でうまく時間が合わなかったためほとんど電話は無かった。コネチカットとは時差が14時間(いまはサマータイムなので13時間)なので朝と夜が逆転するが電話をかけるには都合がいい。シアトルからはミネアポリス経由でコネチカット入りしたのだが、娘たちは飛行機の中でいい子にしていたそうだ。やれやれ一安心。と言いたい所だが実家に着くとハイパーモードに突入し、やっぱり寝てくれないらしい。上の子が妻の実家に行く(帰る?)のは5回目くらいだろう。もうしっかりと家の様子は憶えているはずだ。そりゃー楽しくってテンション上がるわな。そうそう、妻がミネアポリスの空港で面白いものを見たそうな。なんとiPodの自動販売機!全機種揃っていたという。写真撮った?と聞くと、あいにく子供のことで手一杯で撮れなんだとのこと。ううむ、残念!見たかった。

2007-04-01

森へ


久しぶりに森に入った。今まで何回となく訪れている神社の裏山だ。こんな身近に、こんな森があろうとはついぞ知らなんだ。友人と共に森の艶やかな匂いの中をあちこちとさまよい歩く。神域として大切に守られて来たのだろう、多くの大木が天を突き、僕たちを見下ろしている。老木を見上げると時の流れは停滞し、生き急ぐ自分をまるでなだめるかのように風に若葉をゆらゆらと揺らしている。ただそこに居るだけだというのに何という存在感か!我が身が滅んでも老木は何事も無かったかのように、そこにそうして端座しているのだろう。老木から見れば我が生き死には、ほんの刹那のできごとでしかないな。