2007-11-30

給油パニック


明日からまたガソリンが値上げになるのは知っていた。仕事帰りにスタンドに寄れば相当混雑しているだろうと予想もしていた。だがそこまで混んでいようとは思わなんだな・・なんたってスタンドに入りきれず国道にまでその車列は及び、給油渋滞を引き起こしていた。そんならやめて通り過ぎれば良かったのだが燃料が空っけつだったのと何となく『今入れねばいかん!』てな心理に突き動かされて『何してんだろオレ?』と思いつつ待つこと暫し。やっとこさ給油完了し、さあ行くべえと思いきや今度は給油を焦る他車に行く手を阻まれ立ち往生。『いったい何したいんやオマエら!』と自分のことはさておいて他人攻撃で憂さ晴らし、そのうち道は開けようやく脱出できました。
明日はℓいくらになるかは知らねども、たとえば5円上がったとして60ℓで300円。しばらく待ってでも安く上げるか?混雑を嫌って通り過ぎるか?微妙なラインだね。何年か前はℓ100円足らずだったので60ℓ換算なら2400円もの違いか・・そう思うと大きいな。この先しばらくは値段も下がりそうにないし、この原油高いつになったら落ち着くんだろ?

2007-11-29

親というもの


髪の毛は年々減りつつあるが、いまだにある程度の長さになって来ると気になって仕方が無い。そこでいつも我慢しきれず坊主にしてしまう。現場の同僚にも坊主にしている者がいるのでそんな話をしていると、今までは坊主にはしていなかったのだと言う。じゃあ、なんで坊主にしたの?と聞くと、『仕事が忙し過ぎて散髪に行っとる暇がないから』という答えだった。それもそうだな・・と思っていると彼が言葉を続け『それに今ウチの息子も髪の毛抜けて坊主やし・・』そうだった、彼の息子さんは小児白血病で長らく入院治療中だったのだ。一緒に坊主になってあげようというのが彼の本音だったのだろう。ちょっとした気遣いだが息子さんはさぞかし喜んだだろうな。そんなことをさらりとやってのける彼を『かっこいいな』と思うし、同じ年頃の子を持つ親として自分もかくあるべきだと教えられた。

2007-11-28

横暴


額賀財務大臣の参議院での証人喚問に関する採決で野党の多数決となり採択されたが、それに関する自民党のコメントが『今回のような数の横暴は民主主義においては決して許されるものではない!』であったのにはほとほと呆れ果てた。今まで衆参両院においてさんざ数の横暴を繰り返して来たのは一体どこのどいつだい?自分達のことを完全に棚上げして人を攻撃するなんて・・
ねじれ国会と言うけれどある意味そのねじれによって正常に作用するようになった点も多々あるのでは?そう思いたい。

2007-11-27

高騰


最近の原油の高騰ぶりには困ったものだが、それと同調して様々なものの価格改定を報ずるニュースも多くなって来た。確かに食料品を買い出しにいくと値段が上昇して来ているのがよく分かる。その上げ幅は僅かだがもともと単価の安いものならば20%ほども値上がりしているものもある。ニュースなどの報道を見ていると『何々が今日から値上げ』と、いかにも価格改定のプロローグのように言っているが、現状は既に価格は上乗せされているのだ。一品では大したことない差額でもそれがすべてのものに上乗せされて来ると莫大な額になるだろう。じゃあ、原油の高騰が落ち着いて来たら値段を下げるか?と言えば、おそらくメーカーの反論でうやむやにされてしまうことだろう。原油の高騰に便乗した値上げが横行するようなそんな雰囲気が感じられる。

2007-11-26


上の娘を寝かし付けていた時のこと。
僕『はい、もう遅いから寝んねしようね。お休みー』
娘『Daddyはまだ寝ーへんの?』
僕『Daddyは忙しいからまだ寝れへん。皿も洗わなあかんし、風呂に入らなあかんし』
娘『こんぴゅーたーも?』
僕『そう、だから先に寝とってね』
娘『いや、寝たくない!』
僕『あかんよ、寝ーへん子は大きくなれへんよ。いい子はちゃんと寝るよ』
娘『じゃあ、ちょっとだけ寝てDaddyが来るの待っとるね・・』

一体自分は何をしてるんだろう?毎晩遅くまで働いても仕事は一向に減らず、ねぎらいの言葉どころか更なる重圧を掛けて来る。何のために働いているのか?そりゃー生活してゆくために決まっている。だが何かが違う気がする。自分の仕事に誇りが持てるか?子供達が一番かわいい時間を自分は仕事なんかのためにみすみす捨ててしまっているんじゃないか?その時間は二度とは取り戻せないのに・・。
2時間ほどしてから娘の様子を見るとすっかり寝ているようだ。その寝顔を見ながら眠りにつくことが今の僕の唯一の癒しになっている。

2007-11-25

Thanks Giving Day


5kg超の七面鳥もあれよあれよという間に詰め物をされてオーブンに入れられ2時間あまり、ほど良くこんがりと焼き上がり部屋中に香ばしい香りが漂う。それと同時進行でいろいろなものが作られてゆくが自分の出番は無く、子供達が料理の邪魔をせぬよう監視役兼遊び相手として貢献?する。予定通りに支度は整い、お客を迎えていざパーティーの開始だ。親兄弟などを集め、更に妻の友達も加え総勢11人でわいわいがやがやと楽しくThanks Givingを迎えることができた。料理のほぼすべてを取り仕切った妻の母親もホッとした様子。こんなことも狭いアパートではできなかったこと。みな腹一杯食べ喜んでくれた。さあ、次回のために大きめのオーブンでも買うとするかね・・

2007-11-24

Thanks Giving前夜


22日がThanks Givingだったが、ちょうど祭日ということで23日に皆を集めてパーティーをする予定を組んでいた。しかし肝心の七面鳥がタイムリミットの23日正午までに届かず明日の日曜に変更。発送元に年押しして今朝の第一便で到着した。冷凍されている七面鳥を持ってみるとズッシリと重い。どれくらいのものを注文したのか?と妻に尋ねると、約5kg!だという。かなりの大玉に感じるがこれでも昨年オーブンに入りきらなかった失敗を踏まえて若干小さめにしたのだという。解凍は水中にての自然解凍がベストらしいので、物置から子供用のバスタブを引っ張りだして来て漬け込んどいたわさ。妻の母親はローストチキンが得意料理なので七面鳥もお手の物。いろいろな下ごしらえを手際良く片付けてゆく。明日の夕方にはこんがりと焼き上がった七面鳥を拝めそうだ。楽しみ楽しみ。

2007-11-23

解けた謎


Jackyがウチに来てからひと月が過ぎ、何となくどういう犬かが分かって来た。Jackyはとんでもなく臆病な犬なのだ。特に車が大の苦手らしく、動いているものはもちろん駐車場に止まっている車に対してさえも横を通るときはビクビクし、全く落ち着きなくこちらが気の毒になるくらいだ。なぜそこまで車を怖がるようになったのか?は想像の域を出ないが、おそらく車で連れて来られて捨てられたのか、車に轢かれたことがあるのか、まあその辺りの事情だろう。始めJackyを見たとき『なぜこの犬は山を下りないのか?』と不思議に思っていたが、どうやらただ単に車が怖かっただけのようだ。車から逃げるようにウロウロしていたらいつの間にか山の上に追いつめられていた、ということなのだろう。滑稽ではあるがかわいそうでもある。

2007-11-22

降雪間近か?


今日も朝から冬型の気圧配置が続き、雪雲がすぐそこの山まで迫って来ている。さすがに雪はまだこちらまで流れて来ないものの、風の冷たさといったら!ニットの帽子をかぶっていても繊維の隙間からヒューヒューと侵入し、防寒の役に立たないくらい。東北地方で大雪を降らしているこの寒気団の勢力がもう少しだけ強かったら、雪雲は山々の尾根を越え一気に平野部を白く染めたことだろう。それにしてもつい先日まで日中20℃近くあったのに、今は雪をかぶった山を眺めながら仕事をしている。この現場が始まったのは新緑の頃だったから、もう冬なのか・・と季節の移ろいの早さについてゆけず呆然としてしまう。
今日発表の気象庁の長期予報によると、来月の気象は平年並みの寒さと言うことだ。一体『平年並みの寒さ』とはどういう意味だろうか?と、その言い回しの曖昧さにはいつも違和感を感じるが、とどのつまりは『よく分からん』ということなんだろう。個人的にはあまり雪は降って欲しくないが、僕がどう思おうと天はそんなことお構い無しだ。かえってそんなことを言うからドカ雪が降ったりするんだろうな。

2007-11-21

微妙なバランス


ここのところめっきり寒くなって来た。日が射せばポカポカと暖かいのだが冬型の気圧配置になると西風に乗って雪雲がどんどん押し出され、時雨模様のはっきりしない天気となる。こうなって来ると現場仕事の我が身には修行のような毎日で、殺人的暑さだった夏が恋しくさえ思えて来るのだ。
ただの偶然かも知れないが急に寒くなったのと同調して、身の回りで訃報を聞く機会が多くなったように感じる。人間とて自然の一部。何かの原因で微妙なバランスで保たれて来たものが崩れたりして体調を悪くする人が出て来るのだろう。体力の弱っている人ならばなおさらだ。インフルエンザも流行って来ていると聞く。それに風邪、これがひどい。自分は軽くひいたくらいで済んだが、こじらすとなかなか回復せずその間にも風邪の症状を訴える人が増え続けている。現場の先行きも見えて来たことだし、土壇場でひかないように体調管理に気をつけよう。

2007-11-20

愚行


今日から16歳以上の外国人に対して入国の際の指紋採取と顔写真の撮影が義務づけられた。その目的はテロリストの入国を水際で防ぐと言うことらしい・・て、本気でそれができると思っとるんだろうか?法務省によると、もし指紋採取などでブラックリストにある人物と合致した場合は強制退去を求めるという。テロリストと判明して強制退去もないもんだが、だいたいブラックリストに載っとるようなテロリストが指紋検査を実施している空港から堂々と入国する筈はない。そんなことをせずとも密入国は簡単だろうし、テロを実行しようとするならアメリカ同時多発テロ実行犯と同様、前科がなくブラックリストにも載っていない人物を観光客として送り込んで来るだろう。いくら指紋採取をしようとて、データベースにない人物ならばテロリストだろうがただの観光客だろうが一緒なのだ。しかも永住ビザを持ち、日本に住んでいる外国人に対しても毎回指紋採取と写真撮影が義務づけられている。一体何のために?ただの嫌がらせのためとしか思えない。当然入国審査では長い列ができ、混乱を招いている。
今回のこの制度と同じことがアメリカでは数年前から行なわれている。実際僕も何度か指紋を採取され、顔写真を撮られた。だから日本も追随し何の検証もなく盲目的に導入しただけのことだ。テロリストの一番のターゲットになっているアメリカでこの制度運用開始からの数年間にテロリストと判明した事例は一体何件あったのだろうか?そんなことさえ調べていないんだろうな・・とにかくアメリカに追随せよ!という愚かな考えだけが先行し、自ら最善策を考えようともしない亡国の一端がここでも見えて来る。セキュリティーの名の下に人々を強制し、強要する今のやり方は断じて受け入れられない。

2007-11-19

飽食のブタ


心痛む光景だ。バングラデシュのサイクロン被害の死者数は1万人に達する恐れもあるという。少ない救援物資をヘリコプターから群衆の中へ投下するシーンを報道していたが奪い合いになるのは当然で、幼子を抱いた痩せこけた母親が必死に救援物資にすがり付こうとして男どもにもみくちゃにされていた・・彼女の腕の中で幼子はただただ大人達の奪い合いに翻弄されながら、爆音をたて物資を投下するヘリを驚いた表情で見上げていた。
自分は『飽食のブタ』だ、と時々思うことがある。身の回りは食べ物であふれ飢えることを知らず、毎回腹一杯食べても当然のこととして感謝もせず、食べきれず腐らせては捨てたりしている。『これだけの食料があればどれほどの子が生き長らえるだろうか?』と考えもする。でも考えてるだけじゃ死んでゆく子供達を助けることなどできやしない。飢えは収まらないのだ。
ささやかだが自分にできることをしようと思う。それが本当に子供らを助けることに繋がるかどうか疑問もあるが、自分の子らと同じくらいの子供達がひもじい思いをしながら死んでゆくなんて・・無くすことはできないかも知れないが、減らすことはできると思う。

2007-11-18

シドル


バングラデシュを直撃したサイクロン『シドル』は現時点で2千人以上もの命を奪っていったという。その被害のひどさに慄然とし、亡くなられた人々のご冥福を祈りたい。
10年前ミャンマーのヤンゴンからビーマンバングラデシュ機に乗り、首都ダッカに着陸する時に見た風景は今でもはっきりと憶えている。飛行機が厚い雲を抜け徐々に高度を下げ始めると窓外には水と緑にあふれた大地が広がり、その当時貧困という暗いイメージしか持っていなかったバングラデシュに対する視点が、国に降り立つ前にあっさりと塗り替えられてしまった。だからと言って貧困がなかった訳ではない。街を歩けば目を背けたくなるような光景が其処ここに見られ、その対応に自分も悩み、自身を嫌悪し、心身ともに消耗しきってしまった時期もあったが、バスや列車で移動すれば緑豊かな土地が開け、水辺ではしゃぐ子供達を見て微笑んだりもしたものだ。
ヒマラヤに源を発し、インドを経巡って流れる大河ガンジス川がその諸々を一気に吐き出すのがここバングラデシュなのだ。上流から運ばれて来る様々な養分により土地は肥え、緑は深いが、同時にあまたの人々の祈りや穢れをも受け止めねばならない。豊かな土地なれど永遠に浄化されることなく、そこに住まう人々は破壊神の気まぐれに常に翻弄され続ける。これを救うものが『アッラー』なのか?
世界一長いと言われるコックスバザールのビーチには無邪気にはしゃぐ観光客とは対照的に砂浜のニッパ小屋で細々と暮らす漁民達がいた。彼らはこのサイクロンを乗り切っただろうか?小屋に招いてくれた少年は、お茶を出してくれた老婆は生きているだろうか・・

2007-11-17

wag the dog


福田君の初外遊先を米国にしたのは、日本が米国との関係を最重要のものだとアピールするためと言うが、米国側の反応や雰囲気を察するにもはや外交としての対等な立場は失われ、まるで中央政府に就任のご挨拶に伺う地方政府首脳と言った感がする。報道内容もブッシュ大統領が吐いた一言一句を取り上げて、『こう言ったからこうだ』『これにはこう言う意図が見え隠れする』だのと、事細かに反応し、詮索し、推測している。その姿からはとても一国家としての自覚や威厳は感じられず、端から見れば米国という身体についた日本という尻尾にしか過ぎない。外交能力などはとうに消え去り、後は米国にひたすら頼るだけの51番目の州としての日本しかない。

2007-11-16

記憶にない


『記憶にない』と公言すれば何事も許されると思い込んでいる愚か者が、政界を中心に巣食っているようだ。あの答弁を聞いて『ああ、そうなんだ』と納得した者なぞごく一部の同類者を除いていないだろう。それしきのことさえ憶えていない、思い出せないような無責任な人間はさっさと職を辞して隠居すべきだ。それにしてもまあ、次から次へと問題を発生させる閣僚さん達だこと。それも揃いも揃って皆問題発生後の対応の拙いこと!自分で自分を追い込んでゆくのは勝手だが、周りの空気や情勢を感じ取ることに対するそのあまりの鈍感さには呆れ果てるものがある。これが国民から選ばれた議員なのだからな・・国民もそれしきのレベルということなのか?
とまれ、『記憶にない』禁止法案を今国会中に急ぎ提出し、可決せよ。

2007-11-15

義母来日


今年2回目の義母の来日。今回は12月上旬までウチに滞在し、その後妻と子供達を伴ってアメリカへ帰国する予定。大きなスーツケースと2人の小さな子供達を連れての大移動は妻1人では大きな負担だが、義母が片道でもサポートしてくれると大分楽になる。その辺りの気遣いには感謝したい。上の子はGrandmaが来てくれた!と昂奮気味で、そんなに英語がしゃべれるんか?とこちらが驚くほどすらすらと会話している。あまりに昂奮し過ぎ寝付けなくなっていまでも起きている。下の子はGrandmaのことを忘れてしまったのか、だっこされると人見知りをして泣いてしまった。降ろすと今度は『ママ、ママ』と妻に纏わり付きどうしようもない。さて、いつになったらGrandmaになつくかな。

2007-11-14

床に沈む


昨晩寝たのが遅かったせいか帰宅後に飯を食べ、子供とじゃれ合っている最中にそのまま床の上で寝てしまった。ぼんやりとした記憶の中で『Daddy、起きて!』と子供が僕を起こそうとする声と、『何で布団で寝んとこんな所で寝とるの?』と言いながら妻が毛布を掛けていったのだけは憶えているが、寒くなって起きたときには皆は既に寝て、ガランと静まり返った部屋の中で僕だけがゴロリと転がっていた。早く帰りたい、早く寝たいと思いつつ過ぎて来た数ヶ月。まだこの状況は続きそうだ。遊んでもらうのを楽しみにしている子供の前で寝てしまうなんて、まるでなっちゃいないよな。

2007-11-13

1st anniversary


何となく今頃だったような気がして調べてみると、今日がブログ開設一周年だった。かといって特別どうと言うこともない。たんたんとした毎日のこもごもを好き勝手に書いているだけ。書きたいことは山ほど眠っているが、纏めきれず引き出しきれず、必要な時間も賄いきれず、半分寝ながら書くていたらく。いましばらくはこんな状態が続きそう。それでも僕は書き続けるさ、たんたんとね。
これからもどうぞよろしく。

2007-11-12

X-Day


予想外に強く降る雨の音を聞きながらいつもよりゆっくりと起き、10時半の予約に間に合わせるため自宅から30分ほどの総合病院へ向け9時半に出発する。時間にゆとりを持った筈だったが途中工事のために渋滞し、遅々として進まない。時間は迫るし気も焦るがこればかりはしょうがない。何とか間に合いすぐにCT室へ入ると、巨大な輪っかが待ち構えていた。上着を脱ぎベットに仰向けに横たわるよう指示され、大人しく従う。突如ベットがスライドし輪っかの真下に入るとCT機がロボット声で『大きく息をして下さい・・息を止めて下さい」と言うではないか!思わず緊張して硬直した視線の先では5cmほどの隙間の中で何かの機械が超高速で『ブムブム』と回りだし、どうやら僕を『鎌イタチ方式』でスライスしているようなのだ。一連の動作が終わりベットが引き出されると、X線技師と看護士が現れいまから血管に造影剤を注入するので覚悟せよ!と長さ20cmほどもある極太の注射器をCT機から伸びるアームにセットし腕に刺そうとするので、うろたえて『ちょっと太かーないですか?』と言うと『針は同じですから』と軽くいなされ、セット完了。『いまから造影剤を注入しますが、体温上昇や喉の渇きなどの症状が出ます。気分が悪くなったら言ってね』と言い残して看護士が去り、部屋にはX線技師の声で『注入開始!』とアナウンスが響く。どうやらリモート操作で機械が僕に造影剤を注入しているようなのだ・・と、キタキタキター!全身が酒を飲んだときのように火照って来る。喉もいがらっぽいぞ!あまりの効力の早さに戸惑っているうちに再びベットはスライドし、散々にスライスされ放免された。身体の火照りは取れぬまま呼吸器科の待ち合いで1時間以上も待っただろうか、呼び出しを受けドキドキしながら席につくと、医師の前のライトパネルには僕の肺のスライス画像が30カットほども貼り出されていた。医師の診断は『何もないですねー』だけだった・・。すこしの間を置き『よくあることですか?』と尋ねると、さも申し訳なさそうに『健診のX線では何かの原因でよくひっかかるんです。でも、再検査して何か発見される例はまれですね』とのこと。結局医師は一度も僕の目を見ぬまま1分にも満たぬ診察を終えた。この日の診察料は9960円。この検査結果をもって今年も体調は絶好調と確定した。
それにしても何とも言えぬ不安に包まれたこの数週間は何だったのだろうか?今回はたまたま結果が『良』と出た、ただそれだけのことだ。自分は小さい頃から人一倍身体は強かった、健康には絶対の自信があった。でも今回のことでその自信が大きく揺らいだのは間違いない。再検査が僕に与えた影響は肉体的にも精神的にも大きかった。バカみたいだが何となく肺の辺りに違和感を感じ、実際に痛みも感じていた。それらはすべて精神面からくる作用だったのだ。同じ一つの痛みでも検査結果が『良』ならば幻覚で、『悪』ならば実感なのだ。ガンではなかった。サルコイドーシスでもなかった。でもいつ自分がそれらを患ったとしてもなんらおかしくはないのだ。
病院を去る時看護士が『お大事に』と言った。『なんだ、オレは病人じゃねーぞ』と思ったが、ここ数週間は間違いなく精神を病んでいたのだ・・

2007-11-11

Mosなる日


久しぶりにMosに行き決まり事のようにオニポテセットを注文し、フライドポテトとオニオンリングを妻と子供達に奪われつつも、期間限定のカレーチキンバーガーを美味しく頂きました。妻は大のMosファンで子供が生まれる前は何かにつけMosにしけ込んではあれやこれやと注文していたのが、さすがに小さな子供2人連れては大変なのと、下の子の食物アレルギーが結構あるので最近はなるべく外食を避けていたのだ。妻はアメリカ人だがMcdonaldsにはまず行かない。アメリカに帰国中もファーストフードならWendy'sかSubway(僕はSub派だ)で、Mcdonaldsに入るとするとトイレを借りるときだけ。僕も食べたいとは思わない。単に美味しくないこともあるが、世界中の子供達の食生活に影響が大きい大手外食企業としての姿勢に疑念を抱いているからだ。じゃあ、他は良いのか?と言ったらそうは思わないが、まあ、要するにアンチMcdonaldsなのだよ。妻の友人達(アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア)もやはりMosは美味しいと言っているし、妻のお袋さんも旨い!って言ってたな。皆始めはMosのマークを見て『Mcdonaldsのパクリじゃん!』と思うそうだが、食べるとMosの方が作り立てで美味しいのでMos派になって行くようだ。アメリカに進出してもパクリだと言う訴訟を起こされなければ十分通用すると思うが、国内にてあまり手を広げ過ぎず更に切磋琢磨してくれる方がこちらとしてはありがたいな。余計なお世話だけど。

2007-11-10

原油高騰


ガソリンの値段は上がる一方で自然とアクセルの踏み込みも弱くなっている今日この頃だが、面白いニュースがあった。ガソリンの値上げに伴い少しは割安なセルフスタンドを利用する人が増えているが、利用者の増加に比例してガソリンの給油間違いの救援要請が増えているという。間違えた人への聞き取り調査では『値段が一番安いのを入れた』『ディーゼルとレギュラーを間違えた』それに引き続き笑えるのが『軽自動車だから軽油を入れた』というもの。まあ、燃料を始めて自分で入れる人は気も動転して単純な間違いを起こしてしまうのだろう。単純な間違いと言えども車はちゃんと走らないので大きな代償にはなるが・・

2007-11-09

school shooting


学校乱射事件と聞けば『ああ、またか』とアメリカで起きたことだと思ってしまうが、今回はなんとフィンランドだった。しかもフィンランドが銃の所持を合法とし、人口に対する銃の流通数でアメリカ、イエメン(これも以外だった)に次ぎ世界第三位であるなんて、今回の事件に関するニュースで始めて知った。銃の所持を許すのも狩猟が盛んで、ハンター登録者数が多いからだそうだ。とは言え銃は銃、たった1人の凶行で何人もの命が奪われる。インターネット全盛のこの時代、事件はリアルタイムで世界中に配信され、それと同時にその事件が持っていたであろう地域性は失われその形態だけが受け継がれてゆく。この先アメリカ、フィンランドで起きたような事件がますます広がりを見せ、凶行が繰り返されるのだろう。それを防ぐ手段としてまず第一は銃の所持を禁止することだ。

2007-11-08

ニュアンス


今朝、朝食時の会話。
娘『Daddy、パンの耳固くて好きじゃない』
僕『そう、じゃあDaddyが食べたる。』
妻『この子もyouに似てパンの耳嫌いなんやね』
僕『別に嫌いな訳じゃない。食べるには食べるけど好んで食べんだけや』
妻『それって嫌いってことやん、無理して好きと言わんでもいいんじゃないの?日本では「嫌い」と言うことが悪いことと思われてるでしょ?』
僕『だから、嫌いじゃないって。好きでもないし嫌いでもない、それであかんの?アメリカ人みたいに「Yes」「No」とはっきり言わなあかんのか?こういうときは日本的グレーゾーンでもいいんじゃないの?』
妻『・・・・・・・!』
日常によくある些細な摩擦。時には大ゲンカにまで発展することも・・。今年で10年一緒にいるが摩擦が無くなることはこの先もない。

2007-11-07

睡眠


結局0時をまわってしまうな・・そりゃー21時前頃帰宅してすぐに飯を食べ、子供達に本を読んだり歯を磨いてあげたりして寝かしつけ、ちょっと息抜きしていればあっという間に時間が過ぎてしまうのも無理ないわな。雨で現場が休みのときは比較的早く帰れるので、その時は時間に余裕があり過ぎてうれしい反面、いかに日常の貴重な時間が仕事のために奪われているのかが実感できショックなくらいだ。
日々だんだんと寒くなって来て朝起きるのも辛くなっているが、そんなこと犬には通じない。毎朝決まった時間に『連れてゆけ!』とキャンキャン訴える。いままで週末はゆっくり寝ていたが、それもかなわず7時前には起きている。ならばと寝る時間を少しでも早めたいが先に述べたようにどうしても0時前後になってしまう。全く息抜きせずに布団まっしぐらで行けば時間は稼げるが、精神的なゆとりが無くなるだろうな。とにかく仕事から早く帰ることが何よりも第一だな。

2007-11-06

見通し


元来見通しを立てるのは大の苦手だ。そもそもそんな先のことまで考えて行動できるかっての。旅行に関しても同様で大体のルートはイメージするがいつにどこへ行って、あそことここも押さえてなんてやっていると窮屈でたまらない。それでは旅を楽しめないし、第一そんな予定を組んでもまともに行く筈がなく、行った試しもない。そんな自分に仕事の見通しを立てよと言う。そりゃー適当なことならなんぼでも言うことができるが、それではおそらく通らない。じゃあ単なる見通しではなく工程として計画を立てようとしても、そもそも不確定要素の上に成り立った計画なればいくら正確を期そうとてできるものでもなく、結局のところ適当な見通しに終着する。そんなことに時間をかけているほどヒマではないのだ。

2007-11-05

闇に生きる


この闇の中に潜むモノがいる。庭仕事に精を出していたある週末、ふと離れの通気口に何かの気配を感じ目をやると、おそらく青大将だと思う蛇が首をもたげ金網の向こうからこちらをじっと見ていた。始めはそれが何であるか分からなかったが蛇だと気づいたときにはもう闇の中に姿を消した後だった。あの大きさからすると金網をすり抜けることは不可能で、離れの床下に閉じ込められている状態なのかも知れない。床下から壁を伝って屋根裏に出れなければおそらく床下の闇の中で生きながらえるしかないだろう。僕はこの蛇を我が家の主だと考えている。いつ離れの床下に入ったのかは見当もつかないが、間違いなく僕らよりも前からこの家に住み着き、床下からこの家の幾年月を感じ取って来た筈だ。今回金網の向こうからこちらを見ていたのは、新顔である僕らを観察していたに違いない。

2007-11-04

七五三


お天気も良く絶好の七五三日和の一日だった。朝早くからの着付けにぐずることもなく、記念写真撮影も無難にこなしその後の宮参りでもいい子をしてくれた上の子を褒めてあげたい。ここまで何事もなく健康に育ってくれたことをただただ感謝するのみだ。神社では七五三参りの他の家族連れも多く、子供とその親達が着飾ってよそよそしく、うやうやしく、こうべを垂れては手を打っていた。皆願うことは同じなのだろうな・・と思いつつ自分もこうべを垂れ、手を打ち、子や皆の息災を願う。
宮参りを終え、身を包んでいた奇麗な着物を脱いだ後はそれまでのお澄まし顔もどこへ行ったのやら、弾けるように遊び回り手をつけられぬほど。『眠たくなんかないよ!』と帰りの車で言っていたかと思うと、次の瞬間にはいびきが聞こえて来た。
なんてオレは恵まれてるんだろう。

2007-11-03

格闘


いま庭で一番活発に成長し続けているのは頭が痛いことにスギナなのだ。一晩で数センチも伸び、明朝庭を見てがっくりすることが何度もあった。ならばと庭を掘り返しスギナの根からやっつけようと土塊と混ぜて放置しておいたら、なんと驚くべきことにズタズタに切られた根から芽を出しているではないか。そうとも知らずに花壇の中に大量に混ぜ込んでしまったな・・いまさら除去もできないし困ったものだ・・

2007-11-02

移ろい


例年よりも暖かさが残るとは言え、朝夜の冷え込みは日に日に厳しくなり列島北部では初雪の便りも聞こえ始めた。いまだ姿は見えないが冬はもう、すぐそこまで来ているようだ。現場仕事の身にとっては冬の西風の冷たさは格別で、予定通り12月中旬までに現場を終わらせないと皆揃って西風に搦めとられてしまう。小春日和のような暖かい日が続けば作業もはかどり、日程にも余裕が出てきそうなものだが実際には作業は遅々として進まず、時間ばかりが無駄に費やされているようで焦りを感じ始めてもいる。と、言ってもだ、既に6ヶ月もの長きに渡って作業をしておれば今更ジタバタしても始まらず、あとは成り行きに任せ粛々と日々の仕事を片付けてゆくしかないんだろな・・

2007-11-01

待たされる日々


案の定、胸部CTの予約を取っただけで今日の診察は終わってしまった。健診の結果についてや医師の手元にある不穏な影がはっきりと映し出された僕の肺のX線写真については『影が映ってますね・・』程度の誰が見ても分かる話しかせず、あとは『今日は採血を行なってガンや結核、サルコイドーシスの可能性がないか調べます』と、いきなり過激なことを言われて採血室へ、そこで吸血おばばに試験管3本分を吸い取られ放免された。次回は来週月曜を狙っていたがCT機の空きがなく、もう一週伸ばされて12日にスライスされることになった。医師の説明によればスライス前に特別の液体を血管に注入することで画像が鮮明になり具合が良いと言う。CT機でスライス後は約30分で結果が分かるので血液検査の結果も含め、12日がX-Dayということになる。こんなドキドキした気持ちで待たされるのはストレスが溜まるのでさっさとやってしまいたかったが、いかんせんこればかりはね・・修行のつもりでジッと待つわさ。