2007-11-05

闇に生きる


この闇の中に潜むモノがいる。庭仕事に精を出していたある週末、ふと離れの通気口に何かの気配を感じ目をやると、おそらく青大将だと思う蛇が首をもたげ金網の向こうからこちらをじっと見ていた。始めはそれが何であるか分からなかったが蛇だと気づいたときにはもう闇の中に姿を消した後だった。あの大きさからすると金網をすり抜けることは不可能で、離れの床下に閉じ込められている状態なのかも知れない。床下から壁を伝って屋根裏に出れなければおそらく床下の闇の中で生きながらえるしかないだろう。僕はこの蛇を我が家の主だと考えている。いつ離れの床下に入ったのかは見当もつかないが、間違いなく僕らよりも前からこの家に住み着き、床下からこの家の幾年月を感じ取って来た筈だ。今回金網の向こうからこちらを見ていたのは、新顔である僕らを観察していたに違いない。

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