2007-04-13

共存


仕事からの帰り道、前方の車道を何か小さな影が横切った。大きさからして猫だろうと道路脇でモゾモゾしているのを見ていると、猫にしては足が短く、ずんぐりむっくりしている。どうも変だな・・とその時こちらを振り返った。なんだ、タヌキじゃないか!道理で動きがもったりしているはずだ。そうか、こんな所にもいるんだな。周りの風景はのどかな田園地帯といったところで、タヌキがいようが全然不思議ではないし、この辺りの田んぼではキジも普通に見ることができる。一時は開発や環境の激変で姿を消していたのだろうが、ここに来て人間の生活圏の隙を突き、したたかに浸透しつつあるようだ。彼らのような野生動物を見かけるようになったからと言って、自然環境が戻りつつあるだの、人間に慣れて来ただのとは思わない。そんな人間本位の傲慢な考えは捨てるべきだ。彼らはただ隙あらば自分達の生活圏を広げようと狙っているに過ぎないのだ。人間の築いた帝国はもはや崩れまい、と過信していないか?あらゆる生物は今、人間帝国に浸透、侵入し、徐々にその勢力圏を広げつつあるのだ。高耐性菌ウイルスや新型インフルエンザ、花粉だってそうだろう。自然との共生共存とは本来とてつもなく厳しいもののはずだ。人間様の優位がいつまで続くかは分からないが、その砦の包囲網が年々勢力を増しているのだけは確かだ。

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