2008-01-10

きりぎりすの死


日中窓を開けていると羽虫が舞い込んで来るような異常に暖かい日が続いているが、よもやきりぎりすが新年を迎えていようとは思っても見なかった。さすがに正月の寒波はこたえたらしく力尽きてしまったようだ。周辺の草や木は鮮やかな緑を失い、冬枯れた単一色に染まってしまったのに、このきりぎりすはなおも鮮やかさを保ちながら叢の中で寒さに耐えていたのだろう。周りに全くそぐわなくなってしまった自身をきりぎりすはどう思っていたのだろうか・・そう思いながら見ていると、むかし読んだ牧水の詩がふと思い出された。
白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ

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