2008-01-29

灰燼に帰す


『モノが燃え尽きる』ことがどういうことなのかを考えている。科学的に検証すれば的確な答えが導き出されるだろうが、僕が考えているのはそんなことではないんだ。まだうまくは説明できないが例えばこんなことだ。
『一本の薪があったとする、これを火にくべると炎を上げて激しく燃え盛り、燃え尽き灰になり無くなってしまう。でも本当に無くなってしまったのか?じゃあ、薪の質量はどこに消えてしまったというのか?』
炎の作用はカミのみぞ知る領域で、いくら人間様の科学とやらを駆使しようが説明しきれるものではない。僕の疑問も科学的には説明できそうなレベルだが、どうも腑に落ちない点も多い。薪は僕の見ている前で炎に包まれ燃え尽きてしまったが、僕にはまだその薪がはっきりと見えるのだ。その感触や重みさえも感じることさえできる。僕が見ている事実と、同じ僕が見ている過去のイメージ・・そのどちらもが現実であるという不可解さ。事実とイメージは時に錯綜し、融け合い、逆転する。
いま自分に『見えている』ものが実在しようが無かろうが、そんなことは問題じゃない。『見えている』ことが重要なのだ。

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