2008-12-28

シオンの民よ


イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区に対する無差別攻撃で、死者は300人に迫る大量殺戮の様相を呈して来た。今月19日にイスラエルとガザ地区を実行支配するハマスとの間で結ばれていた停戦協定が失効し、ハマス側がイスラエル領内に向けロケット弾攻撃を開始したことがイスラエル側の空爆開始の根拠となっているそうだが、事はそんなに単純ではない。どちらかというとイスラエルによる巧妙かつ陰湿な策略にまんまとイスラム過激派が乗ってしまい、今回の猛烈な攻撃の大義名分を与えてしまったと見る方が真実に近いのではないか?当然イスラエル政府は『テロリストに対する反撃』と攻撃を正当化し、死者のすべてが『イスラム過激派』であると言い切るだろう。それに対するアメリカの反応は予想通りで、まずはライスさんが『今回の事はハマスのせいだ』と一方的に決めつけ、毎回反吐が出るがイスラエル一辺倒の反応しか見せない。そんな理不尽さを見せつけられて世界中の人々はどう思うだろうか?ガザ地区で今回の攻撃を受け亡くなった人々は皆がイスラム過激派だったと証明できるのか?彼らとは距離を置き、普通に生活していた人々がほとんどではないのか?
イスラエルに対して無差別にロケット弾攻撃を繰り返す過激派をはじめ、それらを止める事ができなかったハマスには無論責任と非がある。だからと言って何百人もの関係ない人々を殺していいはずが無い。今までもこんな事が繰り返され、憎悪が再び憎悪を生み、次々と反イスラエル闘争の過激派が増えていったのだ。そんなことを百も解りきって今回の行動に出るイスラエルは一体何を望むのか?じきに行なわれる総選挙を有利に闘い抜くためか?そんなくだらぬ事で多くの人々が粉々に砕け散り、一片の肉片となったというのか?自分達の都合のために幼き子供達がその柔らかな頬に血を滴らせ、息を引き取らねばならぬというのか?

即刻殺戮を中止せよ!
双方の愚かさに世界はうんざりしているのだよ。

シオンの民よ。こんな事を続けていては、いつかきっと先祖がたどった苦難の道をふたたび歩むことになるだろう。

0 件のコメント: