2012-05-08

人々の素養


フランスでサルコジが破れれば、ロシアではプーチンが大統領に復帰し、そしてギリシャでは再び政局が混乱、一度は落ち着いたかに見えた欧州危機が再燃の兆しを見せている。すべての物事は連鎖することによって成り立っているが、ここ最近の欧州の動きはめまぐるしい。得に各国民の経済問題に対する不満の現れは顕著で、フランスにしろギリシャにしろいずれも経済立て直しを計るための緊縮策に『No!』を突きつけたかたちだ。確かにその当事国の国民にとっては一方的な負担を強いる緊縮策に不満を持つのは当然で、それを行う為政者にその怒りの矛先が向かうのもまた道理だ。その点でいえばサルコジは少々気の毒ではあったし、オランドはうまいこと民意を煽って大統領の座を手に入れたとも言える。まあ、フランスについては成る可くして成ったという感じだが、一方のギリシャの混乱ぶりは相変わらず頂けない。こちらの国民も厳しい緊縮策に辟易して与党を見限り野党を勝たせたわけだが、選挙の自由はさておいて『お前らなんか勘違いしてねえか?』とニュースを見ながら言いたくもなる。そもそも財政破綻寸前のギリシャをそのまま破綻させては世界経済に及ぼす影響が大きいからと、EUはじめ各国が大金を拠出して助けることにしたのだ。ただし、それには条件があった。ギリシャが財政の緊縮策を受け入れ履行するということだ。今回の選挙では事実上国民がそれを拒否したことになるが、じゃあギリシャ国民は財政破綻を受け入れるということなのか?どうも彼らの意見を聞いていると自分のことしか考えていない短絡的な意見が多く、まるで分かっちゃいない。それでは特に多額の負担を強いられるドイツ国民は黙っちゃいないだろう。お金は欲しいが倹約は嫌だという緊張感のかけらも無いこの連中が、世界経済の今後の行方を担っているとしたら恐ろしいことだ。何事に於いても分をわきまえることが肝要で、まるで自分を顧みないようなその国民性に素養の程度が知れるというものだ。

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