2011-12-11

土地の話


近所に住む知人はアウトドアの達人でもある。よく散歩の途中に会って、いろいろ話しながらその辺りを散策するが、その折に彼が気に入った土地があると言うので二人で何度か見に行ったことがある。その彼が今日我が家を尋ねて来て『いよいよ話がまとまりそうだ』と言う。以前から彼が目を付けていた土地が農協を通して売りに出ることになり、なんとか交渉して200坪近い土地を購入する目処がついたと言うのだ。その土地と言うのは我が家の表に流れる川を堤防沿いに200mほど遡ったところにあり、県道からも離れているため静かでとてもいいロケーションだと僕は思っていた。だが彼によると僕以外の誰もその土地の購入について賛成するものはなかったと言う。確かに目的が違えば価値ある土地には見えないかも知れないが、僕の生活スタイルから見ると余裕さえあれば『買い』の物件だ。もう60を越えた彼の歳から考えると『いまさらなんで?』という周囲の目が厳しいらしい。ご存命の老母も猛烈に反対しているとのこと。しかし現在住んでいる住宅は3階建ての大きな家ながら土地が狭く庭はまったく無い。かねてから息苦しいと思っていたところ、この土地の話しが出たので大決断を下したと言うわけ。
ただし土地を買って造成したらお金がなくなるので、今住んでいる家を売らない限り家は建てれないらしい。それでも時間をかけて自分の好きな木を植えるなどしてゆっくりと土地を育て、このロケーションを十二分に堪能したいという彼の願望は実現可能なイメージとしてよく伝わってくるし、なんか僕自身も楽しみになってくる。今日も『どんな木がいいかな?』なんて人生の大先輩と楽しく話しながら草ぼうぼうの田んぼを見ていると、なんだか愉快な気分になってくるのだ。

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