2011-01-29

エジプト騒乱


わが愛すべきアレクサンドリアでも多くの死者が出たようだ。エジプトの混乱は一体いつまで続くのだろうか?

インドのデリーから空路ヨルダンのアンマンを経由してエジプトのカイロに入ったのは深夜だった。何も分からず取りあえずカイロ市内へ向かうバスに乗ったのだが、驚いたことに深夜にもかかわらず多くの人々が出歩き、子供の姿も多く見かけた。この時はちょうどラマダンの最中で日没後に人々は活気づき、深夜に至るまで食事をしたり買い物をしたりして楽しんでいる様子だった。
また金曜礼拝の朝には通りを歩く人影も疎らになり、『今朝はいやに静かだな・・』と思い歩いていると、突然角を曲がったところにあるガソリンスタンドを埋め尽くすようにして何百人もの人々が集まり、跪いて祈りを捧げているのに出くわしたりと、『カイロ』と聞くだけで次から次へと思い出が蘇って来る。
エジプト、特にカイロは僕が好きな都市だ。オールド・カイロを見下ろす丘にあるシタデルから乾燥した土気色のごちゃごちゃとした街並を見渡せば、様々なかたちをした無数のミナレットが雲ひとつない空を突き刺し、そして礼拝の時間が迫るとそのそれぞれがてんでバラバラにアザーンを唸り、こぶしをきかせてその美声を争う。そんな情緒ある風景が心から恋しく思い出される。

そんなエジプトが荒れている。
ムバラクよ、もう十分だろう。いまが去り時だ。サーダートは評価は分かれるものの為すことは為し、そして暗殺された。
このまま大統領職に固執しても、刺客の手からは逃れられまい。

街角のカフェに、チャイをすすり水煙草ふかしながら日がな一日のんびりと過ごす親父達が戻る日はいつになるのだろうか。

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