2011-01-03

飽食の果てに


お泊まりをした娘達を迎えに実家へ行くと、よくぞまあこれだけ食べ物が出てくるもんだと感心するくらい次から次へと様々なものがテーブルの上に並べられ、そしてそのどれもがちょっとつまみたくなるような魅力に溢れている。母親に聞くと『皆が来るから買っといた』と言うものも多いが、その他にも姉が夫の実家から頂いたものなどもたくさん含まれていて、とても食べきれるような量じゃない。ずいぶん頑張って食べたが相当量が残ってしまった。実家からの帰り際、母が『わたしら2人だけやと食べへんから・・』と姉の家族と僕達にその残りのほとんどをくれたのだが、まったく驚くべき量だ。
この正月はほんとによく食べた。それも普段食べない重いものが多かったのでそれなりに太ったことだろう。そんな食べ過ぎ気味の腹を抱えて思うことは、『自分たちが如何に恵まれているか』ということだ。本当の飢えを知らず、食べたいものはほぼ手に入るという生活が当たり前のこととなり、いまや自分達が飢えるなどとは考えもしない。しかしその一方では多くの子供達が飢えに苦しんで死んでゆくのを止めることさえ出来ない現実がある。こちらでは食べ物が捨てられ、あちらではその食べ物を口に出来ず命を落としてゆく。
胸焼けするほど食べ過ぎると、いつも罪悪感の様なものに苛まれる。自分は『飽食のブタ』であってはならないと日頃から思っているが、こういう時はついつい食べ過ぎてしまう。この飽食の果てには一体何が待っているのだろう。やはり少し飢えるくらいが丁度いいのではないだろうか。

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