2010-07-11

主(ヌシ)


顔馴染みのイヌ・ネコというのは誰しも近所にいるだろうが、顔なじみの『鯉』というのはなかなか無いだろう。実はこの鯉、だいぶ前にもブログで写真だけアップしたことがあるが、いまも変わらず川の範囲でいうと上下100m程の流域間に居て朝な夕なに見かけている。今朝も小雨の降る中Jackieの散歩をしていて遠目に見つけたのだが、何でわかるの?というとこの鯉、魚体の一部が鮮やかなオレンジ色をしており、川にいる野生鯉のほとんどが黒い真鯉という中にあってはひときわ目を引き付けるのだ。毎朝散歩をする時は川の様子を見ながら歩いていて、鯉を見ない日というのはよほど増水した時しかない。晴れが続いて水量が減った時は何十匹もの鯉を見ることができるので、僕が『主』と呼んでいる鯉以外にも定点的に生息している個体も何匹かは必ず居るのだろう。しかし悲しいかな他の鯉は一様に真っ黒で他の大多数との見分けがつかない。だから『主』の栄誉からは外れてしまっている。ううむ、皮肉をはらんできたぞ・・
僕が言いたかったのは単純なことだ。ただ、ヤツがそこに居る。先日も居て今日も居る。あれだけ川が大増水しても長良川本流まで流されることなく、愚直な程にそこに居る。縄張りと言っちまえばそれまでのことだが、厳しい野生の世界の中で己の立場を保持し続ける鯉達に僕はちょっとだけ元気をもらっているんだ。こう言うと大げさだけど『おっ、またおるやんか!』と言った程度の小さな喜びだ。

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