2008-08-27

鎮魂


なぜ彼が殺されねばならなかったのか全く理解できない。アフガンのために・・と尽くして来た彼が、そのアフガン人の手によって志し半ばで命を絶たれてしまった。その無念や如何ばかりだろう。5年にも及ぶアフガン滞在の中で伊藤和也さんは現地の言葉を習得し、地元の子供たちからも好かれていたという。やっと信頼関係を築き上げられ、これからという矢先の悲報に暗澹たる気持ちにさせられる。僕のように口先だけでアフガンの現状を憂いている者とは違い、彼は彼の理想を体現するべく身を削って作業されて来たのだ。そんな彼を讃える言葉はいくらでもあるだろう。しかし彼はそんなものを求めてはいないだろう。彼が求めていたものは緑豊かなアフガンであり、ケシに依存しない農業を展開するアフガンであり、子供たちが食べ物に困ることの無いアフガンだった。伊藤さんはアフガンに骨を埋める覚悟までしていたという。そんな熱き人の遺志はいま頃どこを彷徨っているのだろう。
アフガンは大きな、とてつもなく大きな人間を失った。
伊藤さんが積極的に取り組んでいたサツマイモが普及し、アフガンの乾燥した大地を覆う日が訪れることを切に願う。

黙祷

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