2008-08-23

「伝える」こと


10代から20代にかけて、自分がこの世を去るときは何も残さずに、自分がこの世に存在しなかったかのように去りたいと願っていた。その頃は「生きる」ことに悩み、自分の存在意義が見つけられず、「死」のことばかりを考えていた。ただ、「死」について考えると言っても自殺しようなんて考えたわけではなく、「生」と表裏一体のものとしての「死」を見つめることで「生きる」ことへの手がかりを何とか探し出そうとしていたのだ、と今は思っている。
そんな揺れ動く日々からもいつの間にか解放され、最近では新たな考え方をするようになってきた。それは「伝える」ということ。なぜ自分が今ここに居るのか?を考えたとき、僕は何かを伝えなければならないんじゃないか?と思えてきた。じゃあ、それは何だと聞かれても今は分からない。精神的なものかもしれないし、物理的なものかもしれない。
僕は今でも何かを残したいとは考えていない。単に何かを「残す」だけじゃダメなんだ、それを「伝える」ことをしなければ意味が無いんだと、思っている。
何のために生きるか?と言えば、それは伝えるため。「生」というこの大きな流れの中で僕が受け継ぎ育んだものを伝えてゆく。
それが僕の役割なんだ。

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