2011-08-18

功徳


ちょうど僕がJackieの散歩をする同じ時間帯に、ある老人が杖をつきながらこれまた散歩をしている。この老人はいつ見てもくわえ煙草をしていて、煙草をくわえてない時間は食事のときくらいでは?と思えるほどだ。痩せっぽっちで杖をつきながら歩いているが、さすがに毎日かなりの距離を歩いているためか足取りは軽やかで、身のこなしは柔らかい。
この老人は必ずゴミ袋と火ばさみをセットで持ち歩いていて、散歩の途中で落ちているゴミをすべて拾いながら歩いている。ある時などはそのゴミ袋が一杯になっていて、心ない人の多さを表していた。
以前このブログでゴミ拾い老人について触れたが、その時は挨拶しても無視されたと書いたと思う。しかし今回それが僕の思い違いだと言うことが分かった。
ある朝、この老人が川面を見つめながらタバコをふかしていた。僕が挨拶してもやっぱり返事は無い、というか聞こえてないようなのだ。そこで顔をのぞき込んで挨拶すると、ようやく僕がいることに気がついたようで慌てて懐から何かの機械を出して操作し、僕の声が届くようになったらしい。話してみると意外と気さくな老人で、ゴミ拾いを始めたきっかけは空になったタバコの箱に、落ちていた吸い殻を拾い集めたことだという。それからすぐにタバコの空き箱ではなくスーパーのレジ袋に拾い集めるようになり、ゴミの多さに驚いたとのことだ。

毎朝毎夕、ゴミを拾いを続けるなんてなかなか出来ないことだろう。それを老人は何年も続けている。
この点、見習うべきところである。

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