2010-09-30

さ、出て来いよ。


友はまだ救助されず、見つかってもいない・・

現地の天候は悪く、ヘリでの捜索は一時中断された模様だ。
今日、だいぶ逡巡した挙げ句、思い切って彼の奥さんに電話をした。まだ会ったことも無いし、話すもの初めてだった。僕としては何もできないけれど、自分の気持ちを伝えたかった。押さえきれなかった。迷惑かも知れないと思ったけど、気持ちに推されたんだ。
名を名乗ると奥さんは『ああ、◯◯君!いつも話で聞いていました』と言ってくれた。遭難については報道されていることに毛が生えた程度のことしか分からないとのことだ。もうすぐネパールに向けて発つとも言っていた。
ほんの僅かな時間話しただけだったが、奥さんになにかこう人を包み込むような包容力を感じ、少しでも励ましてあげるつもりで電話したのに、かえってこちらが励ましてもらったほどだ。彼の奥さんになると言う人はやはりこういう人なんだ・・と妙に納得してしまった。

友を今すぐにでも助けに行きたいと思うのに、それができない歯痒さと無力さがとても辛い。いや、どうしても現実のことと思えないのだ。何か悪い夢を見てるんじゃないかと昨夜は何度も起きて、その度にこれは現実なんだ・・と思い知らされる。僕はいつもの時間に起きて、いつものようにJackieの散歩に出て、そしていつものように朝食を食べて家を出るのに、友は、友は冷たい雪の下にいる。なぜだ?何なんだこれは?
なんで友はこんな目に遭ってるんだ?何をしたってんだ!わからない・・わからない・・わからない・・

何年か前も雪崩に遭って死にかけたのに、あんときはちゃんと帰って来たじゃないか。
おい!ちゃんと目を覚ませよ。這い出して来いよ。もう出て来てもいいんだぜ。友よ

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