2010-09-20

戸隠参り


夜、ロッジの屋根を叩く雨音で目が覚める。このキャンプ場は山の稜線を走る県境を越え、僅かに新潟県に入った所にある。そのため日本海上を通過する気圧の谷の影響を大きく受けて雨が降りやすいのだろう。
朝になると雨は上がり、キャンプ場は霧に包まれていた。
朝食を済ませ、山を下る。右に左に大きく蛇行する道を下りきると突然視界が開け、野尻湖の静謐なパノラマが展開する。しばらく皆で湖畔を散策し、写真を撮ったりはしゃいだりとその美しき風景を存分に楽しむことができた。

野尻湖をあとにして再び山中に分け入り、戸隠を目指す。心が癒される里山の風情の中をしばらく進むと戸隠神社奥社への入り口が見えて来た。驚くべきことに参拝者の車がおびただしい数でかなり離れて所にしか止めることが出来なかった。そこから数百メートル歩いてやっと入り口に至り参道を歩き始めるが、ここもまた凄い人だ!娘達の手を引いて杉の巨木が両脇に聳える厳かな道を奥社に向かうこと約2km。やっと本殿が見えて来た所であろうことか『お参り渋滞』だ。こんな経験は始めてだったが手と口を清めるのに約15分。さい銭を投げ参拝するのに約10分。極めつけはお守りを買うのに約20分待たねばならなかったこと。それほど仰山の人がこの狭い奥社に集結していたのだからさぞかし戸隠の神さんもびっくりしていることだろう。それを撮影する為かTVカメラクルーが2班も来とったわな。
蟻の行列のような参拝者の群れから脱出して一路長野市を目指す。本来なら戸隠五社参拝を行いたかったが、娘達に不人気だったのと恐るべき数の参拝者から早く逃れる為に今回は見送ることにして山を下る。
途中名物の戸隠そばを堪能したり、地元産品の即売所を覗いたりして土産物を購入しながら近代的なビル群の林立する下界へと帰還する。あとは高速にのってひとっ走りと言いたい所だが、宿命的な大渋滞にて飯田・瑞浪間はノロノロ運転が続く。やっと渋滞を抜け出て帰宅したのは20時30分。帰りは5時間半もかかったことになる。
往復730kmの短い旅だったが、今回の旅でより信州を身近な場所として捉えることができるようになったと思う。
ぜひまた来たいと感じる、よい旅でした。

0 件のコメント: