2010-09-06

地下へ


地上がこんなに暑いなら地下へ潜ってやろうということで、滋賀県犬上郡多賀町にある『河内の風穴』へ向かう。この辺りは子供の頃から親父殿の軽に乗って何度となく訪れている所でもあり、オフロードバイクに乗り始めてからはほとんどすべての林道を攻め尽くしていることもあって、いわば僕にとっては庭のような所。山中には過疎によって廃村となった村々や捨て置かれ朽ち果てつつある茅葺きの家々など何か僕を惹き付けるものがあって、以前は雪が降る中でも果敢に突入してあやうく遭難しそうになったほどだ。
その『河内の風穴』を訪れるのは3度目だと思うが、以前の記憶はほとんど無い。僅かに入り口の様子などを憶えているほどでまったく頼りない。現地に着くと予想外の人出で大混雑。普段はほとんど人がいない所なので受付のおばさんに尋ねると『なんでも新聞に載ったらしいよ』とのことだ。
さて、清冽な水が流れる渓流沿いにしばらく歩き、急な登りをヒイヒイ言いながら上がると石灰岩の岸壁にぽっかりと穴があいている。近付くと穴からは寒さを感じるほどの風が吹き出して来て、実に気持ちがいい。腰を屈めて中に入りしばらく進むと、突然巨大な空間が現れ圧倒される。『こんなに広かったかな・・』と記憶を辿るも憶えているのはコンクリで固められた通路脇の手摺のことくらい。娘達の手を引いてどんどん奥に行くが急な梯子を上った所で立ち入り禁止の柵がありDead End。なんせ大勢の人が風穴内に入り込んでいるもんだから、ただでさえ狭い通路は大渋滞だ。でも風穴内の気温は年中通して12℃ということですこぶる冷涼にて混んでいてもイライラすることも無くゆっくり待つ余裕さえあるほど。そりゃ、誰もが灼熱の外になど出たくないやろしね。
外に出て来るとやっぱり暑くて、思わず村のお姉さん方の出店でかき氷を食べて束の間の涼をおさらいする。妻なぞは『風穴内に住みたい!』とまで言っておったわな・・住んでもよいぞ。
娘達は始め怖がっていたものの面白くなったらしく、それなりに楽しんでくれたようだ。記憶の片隅にこの日のことが残ってくれるなら、来た甲斐があったというものだな。

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