2013-07-19

空蝉の葛藤















仕事からの帰り道、いつも通る道を走行していると普段は反応しない場所でレーダーがピッピッと鳴り出した。これは・・と前を走る車について警戒しながら進むと、反対車線側だったが案の定ねずみ取りをやっていた。そしてこの辺りでやっているってことは・・と、レーダーを操作している警官を見るとやっぱりだ。僕を罠にはめた連中と一緒だった。そこでレーダーの真横に車を止めて『◯◯さ〜ん、こんちわ!』と車内からニッコリ手を振ってあげると、その◯◯さん、ちょっと驚いたあと何とも言えぬ困惑した顔でペコリと頭を下げました。
先日も書いたが、この取締班の警官とは2時間以上も警察車両の中で話をしていたので、しっかり名前も覚えている。この◯◯さんは32歳で2児の父親、警官にしておくのはもったいない人物で、あの情熱をもっと他のことに使えば世のためになると思う。彼は大学時代4輪レースクラブに所属し、レーサーを志していたそうだ。テストドライバーの仕事を求め就職活動も頑張ったが実らず、4輪レースを続ける資金も無いなどの現実を突きつけられて、結局両親が警官でもあったため試験を受けて巡査となったという。今は巡査部長となりスピード取り締まりの検挙数も県下1位だと言っていたが、僕はそういう彼の目の中に現状に対する苛立ちのようなものを感じたのだ。自分を納得させるために必死に警官をしているような、そんな感じを受けた。今でも彼は迷っているのだろう。そうでなければ話の流れだったとはいえ、こちらが聞きもしていないレースのことを自分から話すことはないだろう。
僕は『警察』という組織は嫌いだ。でも個人としての警官に特段の恨みは無い。そりゃねずみ取りで捕まりゃ腹も立つし『こんなとこでやりやがって!』と、この場を選んだ警官に対してもムカつくが、彼らも窮屈な組織の一員として仕事をしているだけなので、その点は理解する。それに彼らもみんなから恨みを買う仕事など選べるならしたくないだろうと、勝手に考えているけどね。実際はどうなんだろ?

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