2013-07-14

クラック・デ・シュヴァリエ















城は確かに戦に使うものだが、世界遺産の城となったら話は別のはず。しかし現実はそう甘くはないようだ。
シリアの内戦では貴重な歴史的建造物が度々攻撃され、破壊されている。中世の城跡はその立地の良さから拠点として転用され、それが理由で航空機から爆撃を受けている。
先日はシリア第2の都市アレッポのど真ん中に聳える名城アレッポ城が銃撃を受け、その重厚な城門が破壊されていた。そして今晩のニュースでは世界でもっとも美しい城の一つと言われるクラック・デ・シュヴァリエ城が、砲撃により無惨にも破壊される様子が写されていた。地中海にほど近いシリア西部にある城で、15年前に妻と一緒に訪れたことがある。もちろんこの時は平和な時代でもあり、城に至る道程はのどかでとても雰囲気の良いところだった。そしてクラック・デ・シュヴァリエ城にたどり着くとその均整のとれた美しさに感動し、また城本来の防御力の高さにも驚かされた。なんたってあのサラディンの方囲にも耐えたと言うのだから驚くべき堅固さだ。そんな名城が砲撃されるなんて・・しかもそれは政府軍よるものか反政府軍によるものかは知らないが、いずれにしてもシリア人自らの手で破壊されている。先祖達が長い年月をかけて守って来たはずのものが、いともたやすく破壊されるなんて残念この上ない。
願わくはシリア内戦の早き終結と、破壊もしくは損傷を受けた文化財の保護と修復が為されることを祈って止まない。

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