2011-10-20

素養


国民の素養がその国の姿を現しているのは言うまでもない。
昨日から激しさを増しているギリシャの抗議行動の行方は混沌として収束のめどが立たず、さらに大きな輪となって広がる様相を見せている。これは財政破綻寸前のギリシャ政府がEUからの多額の資金援助を受けるための条件として、財政再建に取り組む姿勢を示すために公務員3万人のカットや、更なる財政緊縮策を施行しようとすることに対してのデモで、確かに彼らの生活は追いつめられているのだろう。
しかしだ、僕は思う。『お前らぜんぜん分かってねーよな』と。
以前と比べてギリシャ国民の生活はぐっと苦しくなった。それは確かだ。しかし今ここで緊縮策について抗議したところで、他にどんな解決策があるのだろう?ギリシャ政府はもはや自力での回復は不可能だ。自国の力だけでは破綻するしかない。しかし破綻となると他の国や世界全体が大きな影響を受けかねない。とりわけEUが受ける衝撃は大きなものになるだろう。ゆえにEU各国は苦しい財政事情の中からお金を拠出してギリシャを助けようとしている。しかしながらそのギリシャ国民が一番事の重大性を分かっていないようだ。
若者は火炎瓶を投げてガソリンを無駄にし、労働組合は大規模なストライキを決行して交通機関を麻痺させ、ただでさえ弱っている経済活動をさらに追い込んでいる。こんな彼らの姿を見たらお金を出す側のドイツ国民などは腹が立つだろう『なんでこんなヤツらを助けなあかんのや?』とね。それは当然だと思う。他国に痛みを課す以上、自国はそれ以上の痛みに耐えねばならん。そういうことをまったく理解せずにその時々の紆余曲折にいちいち反応して我がままをぶつける連中には未来は無い。
彼らは言う、『こうなったのはオレの責任じゃない。政治家のヤツらのせいだ』と。今さらこんな不毛なことを言っても何も始まらない。
今はこの難局を国を挙げて乗り越えるべく、努力をすべき時なのだ。彼らはそれを分かっているのだろうか。

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