2011-10-08

煮付けを食べて、島を憶う


今晩のおかずはブリの煮付けにした。
恒例の買い物に長女を連れて市場に行くと、ちょうど鳥取産の脂ののった旨そうなブリが入っていたので4切れ購入。いつもは塩焼きにして食べるが、今晩は久しぶりに煮付けを試みる。これが実に美味かった。娘達もぺろりと平らげ、今度もこれがいい!と言ってくれた。そう言ってくれるとほんと嬉しいね。作った甲斐があったというもの。でも今回はブリ自体が良かったからね。どう料理しても美味しくなったと思う。

煮付けと言えば二十歳の頃、波照間島に住んでいた時に同居していた愛媛出身のKNSさんに仕込まれて、毎晩のように作っていたものだ。この頃は日中土方仕事のようなことをして、4時頃には仕事を切り上げ海に出て魚を釣っては煮付けにしたり、刺身にしたりしておかずを自前で調達していた。今思えば夢のような理想的な生活をしていたが、これは独り身だから出来たこと。家族が居てはあんな自由気侭な生活は難しいだろうね。ああ、今ごろKNSさんはどうしているだろうか?もう10年以上連絡を取っていないし、何処に居るのかさえ分からない。
しかし彼との共同生活が僕に与えた影響は大きかった。10歳年上だった彼からはいろんなことを教えてもらったな・・懐かしい。

僕は自力で自分を変えてゆくことが出来ない人間だ。常に誰かと出会い、その影響を受けて変わって来た。これからもそうだろう。だから人との出会いを大切にしたい。皆それぞれが自分の言葉を持ち、それぞれの拠り所で生きている。その『生きた言葉』をもらったとき、僕はまた一歩踏み出せる。

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