2009-12-24

虐待


現場から帰宅しさっそくJackieを連れて堤防を駆け上がると、河川敷を何かが川に向かってザザザッと逃げてゆく音がする。暗闇の中にわずかに見える影からすると猫ほどの大きさだろうか。それでも猫とは違うのは4・5頭の群れであるのと、川に飛び込んで向こう岸に向けて泳ぎ始めたことだ。そこでやっと影の正体がヌートリアの群れであることが確認できた。
ヌートリアはこの河川敷周辺で営巣し、かなりの数を見ることが出来る。おとなしい動物だが川に面した近所の畑では夏を過ぎるとこのヌートリアによる食害が甚大で、ある人は防獣ネットを張り巡らしたり、トタン板で囲ったりして防御に勤めたが、いずれの策もすぐに破られ被害を食い止めることはできず、ために野菜作りを諦めて果樹園に切り替えたという。我が家の畑も昨年食害に遭い、収穫時のほうれん草が壊滅させられた経緯がある。よってこの泳ぎ逃げゆくヌートリアたちに脅しと警告を兼ねて投石をしたのだが、暗がりの中で投石したにも関わらず、あろうことかそのうちのひとつが命中してしまったようで、『グェッ!』という奇妙な叫び声と共に着水音とは違った感触のある音が返って来た。距離は30メートル以上あり、水面を見ても何ひとつはっきりと見えるものはない。直撃弾でなかったことを祈るが今の時点では何とも言えない。
別にヌートリアが憎かったわけでもないが、ちょっとしたいたずら気分でやったことでひどい虐待を加えてしまった・・。当てる気は無かったと言っても、それならばそもそも石を投げなければよかったわけで、しかも逃げている影に向かって投げている以上確信犯であることは間違いない。弁解の余地は無い。
やった後でひどく悔やんだが今更どうすることも出来ず、悔やむくらいなら始めからやらなければよかったのだ。
自分は知らねばならない。自分にはそういう残虐な面があることを・・。そしてもっと悔やまねばならない。

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