2008-09-29

Rog


つい先ほどシアトルに住む妻の叔父が亡くなったという報が入った。彼は3年前に末期ガンと診断され、余命は3ヶ月と言われていた。その後ガンの摘出手術を受けごく最近までは元気にしていたという。現に夏の間シアトルに滞在していた妻は彼と何度も会っているし、ウチの子供達とも一緒にブラックベリーを穫ったり、シャボン玉をしたりしてよく遊んでくれたらしい。それが妻達がシアトルを離れた直後に体調を崩し、診断の結果再発したガンが既に全身に転移し彼の身体を蝕んでいた。すぐにガンの摘出手術が行なわれたが術後の経過が思わしくなく感染症を併発して、それが原因で亡くなったという。
最後まで延命治療を頑として受け入れなかった彼の意志により機器のスイッチが切られ、家族に見守られながらGood byeしたそうな・・
僕もアメリカ滞在中は彼の家に泊まったりしていろいろ世話になったが、彼についての思い出と言えばまだ昼の2時頃だというのに仕事から帰って来て小さな身体で巨大なソファーにちょこんと座り、アイスクリームをかじりながら笑っている姿と、僕に対して『I love you』と言ってくれた時のことかな。そのとき僕は何か勘違いして戸惑ってしまったが、彼はそんな僕を見て大笑いしてもう一度『I love you because you are my family』と言ってくれた。その時『I love you』という言葉に対する僕の考え方が大きく変わるきっかけとなった。
とにかく彼は、あたたかい人で皆に好かれ、子供達にも大人気だった。来年1月には彼の2人目の孫が生まれる予定だったので、なんとかそれまでは・・と思っていたが、残念でならない。しかし彼がその時まで生を繋ぐためには末期ガンとの想像を絶する闘いをせねばならなかったはずで、最後の時にその苦しみから逃れることができただけでも、彼にとっては良かったのかも知れない。
彼の意志で生命維持装置を止めた死に様は生前の彼らしく、『オレはもう苦しいのはたくさんだ!』と言っているのが聞こえてきそうだ。
いつも僕の拙い英語に真剣に耳を傾けてくれた彼の姿、優しさを忘れはしない。
彼は僕の中で、皆の中で生き続ける。皆が集まる時、必ず話題は彼のことになるだろう。
そういう生き方を彼は選んだのかも知れないな・・

黙祷 そして、ありがとう Roger

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