2008-09-17

取材


本日は、とある城郭で諜報活動中の我が部隊をNHKのカメラマンが撮影せんと同行することなんと2時間あまり。こちらの思惑では絵になりそうなシーンをぱっと撮って引き上げてしまうと読んでいたので、その意表を突くしつこさには驚きもし、感心させられるところもあった。なにせそれだけの時間を費やして撮影しても、実際に放映されるのは1分ばかりというのだから大変な労力だ。我が部隊が城郭の石垣に取り付き、ヤブをかき分け、犬走りを踏査せんと果敢に行動する後をカメラを覗き込みながら必死になってついて来る。足元悪き急傾斜での活動ゆえ彼もバランスを崩してなんども転倒するが、カメラだけは守り抜いているから大したもんだ。聞くところによるとイメージ作りから撮影、編集までのすべてを任されているようで、畢竟最終的なできばえも彼自身の力量に大きく左右されるという。すこぶる出来の良い時は全国ニュースで取り上げられると言うが、今回については自信が無いようなことをこぼしていたな。
ひと通りの撮影を終えヤブから脱した時、彼の腕時計が無くなっているのが発覚した。どうやら転倒した際に外れて落ちてしまったらしい。高価なものではないということだが腕時計が外れたことにも気づかぬほど必死に撮影していた彼のものだから、活動中に見つかるようなことがあれば届ける約束をして撮影は終了した。

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