2008-09-26

空証文


サブプライムローンに端を発した金融不安がアメリカを中心として全世界に広がり、その揺れ戻しが再びアメリカで起きている。日本において行なわれたように、アメリカ政府は7000億ドルもの公的資金を注入して金融不安を払拭したいようだが、国民の反発も大きく計画は頓挫してしまっている。国民が怒るのは当然のことで、サブプライムローン問題でマイホームを差し押さえられている人もいるのに、当の金融不安を引き起こした会社の幹部達は責任を取ることもなく高給と莫大なボーナスをもらっているなんて・・そりゃどう考えてもおかしい。ところが当時の日本では皆がバブル崩壊後の疲労感からか銀行を助けるため大量の税金をつぎ込むことに対し、主だった反対意見や行動を見ることなくあっさりと議会を通過させて実行されている。そのとき思ったものだ、日頃貸し渋りや貸しはがしを行ない資金繰りに困った人をどん底に突き落としているのに、いざ銀行が危うくなったら政府に救済を求め税金を貪り、なのに銀行の幹部達は責任を取ることもなく、自分らの資産を差し押さえられることもなく、高給を取り続けのほほんとしている・・こんな理不尽で腹立たしいことはないだろう。これと全く同じことがアメリカで繰り返されているが構図も全く同じで、結局貧乏人が損をし、金を持つものに配慮した施策となっている。
資本主義が崇拝された時代が続き、人々は資本主義こそが経済だと思い込んで来た。実体のない空証文に代表された資本主義の歪みが今臨界点を迎え淘汰され始めた感がある。これから先資本主義はどのようにかたちを変えて行くのだろうか?共産主義が消え、資本主義まで消えたなら次は何が姿を現すのだろう?

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