2013-02-14

違和感















グアム島で起きた無差別殺傷事件は許し難い蛮行だ。こういった類いの事件では必ずと言ってよいほど『誰でもよかった』や『出来るだけ多くの人を殺し(傷つけ)たかった』などといった、到底受け入れ難い愚かな言葉を耳にする。その度に『だったら自分を刺せよ!』と思わずにはいられないが、もちろんそういう判断が出来るのならばこんな事件は起こさないだろう。
昨夜、NHKニュース9でこの事件について取り上げた時のこと、事件直後の映像として旅行者から提供を受けた動画を何度も流していた。そのシーンは短かったが、はっきりと我が子をかばって殺された女性の名を叫び呼ぶ声が何度も聞こえて来た。おそらくその女性の母親もしくは肉親だったのではないかと思う。その声はまるで死にゆく者を必死になって呼び戻そうとしているような悲壮な声で、今も耳にこびりついて離れない。僕はその動画を見たとき『これを放送してはいかんだろう』と感じた。僕は何も『悲惨な映像や凄惨な状況を放送してはいけない』とは言っていない。むしろそういった現実を放送して伝えるべきだと思っている。しかし昨夜の動画の中ではまだ彼女は生きているか、死に引き込まれようとしている状態だったはずだ。彼女を名を呼ぶ叫び声は彼女の肉体にではなく、見えぬどこかに対して発せられているようで、それは第三者が侵すべからざるものだろう。このような生死の尊厳にかかわるようなものは迂闊に、安易に報道すべきものではない。僕も『なぜダメなのか?』をうまく説明できないが、動画を見て直感的に感じたことは間違っていないと思う。
どうも昨今の報道機関は礼儀無く、浅慮な連中が多いよな。

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