2009-07-06

埋み火


中国新疆ウイグル自治区で6日発生した騒ぎの死者は、現在のところ140人。それだけでも驚くべき数なのに今後も増えることが確実だと言う。しかし何故メディアは中国政府の報道規制が徹底され、ほとんど事実が分からない状況なのに早々と『暴動』として速報するのだろう?ある動画では大通りを多くの人が抗議デモをしながら行進しているシーンをやっていたが、その場面を見る限りは暴動ではない。よしんば集団心理によって一部の過激集団が騒ぎを起し、それに煽られるかたちで人々が狼藉を振る舞ったとして、どうして140人もの人が命を落とすのか?これは明らかに人民解放軍による無差別な殺戮の結果にほかならないだろう。そうなると140人という数字もかなり押さえられたもので、実際には相当数の死者が出ていることになり、またその死者が死者として葬られることもない。
中国政府が今回の事件を彼らの主張する通りウイグル族の暴動だと言うのなら、何も報道規制する必要など無いではないか。それこそウイグル族が暴れ回り、狼藉の限りをつくす様子を各国のメディアに取材させ、世界に配信すればいいはずだ。毎度のごとく大量の人民解放軍が投入され、外部との音信も完全にブロックし、メディアには厳しく報道制限をかける。そこに臭いものがあるから、見られたくないものがあるから隠そうとする。何度繰り返してもまったく学習しない中国政府の常套手段に世界はうんざりし、その人命を無視したやり方に世界は怒っている。
チベット人にしろウイグル人にしろ、彼らは長年漢民族に虐げられて来た。その怒りはとうに頂点に達し、今はその怒りのはけ口を求めているような状況だ。それほどまでに彼らは追い詰められ、絶望してしまった。
中国政府は言う、今回の騒ぎも『海外の反乱分子が扇動して行なったのだ』と。もうそんな話しは聞き飽きた。歯向かう相手をことごとく殺してしまえば安定が訪れると考える中国政府のやり方は、過去何千年の歴史の中で様々な王朝が試み、失敗して来た史実ではなかったか?己の過去を顧みず、力で人を押さえ込もうとするその根本の思想を変えない限り、現行の中国が真の繁栄を享受することは出来ないだろう。

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