2009-05-21

おのが『黒』


東北の友人からモノクローム印画紙についての問い合わせメールが届き、彼女の指定した東欧クロアチア製のVARYCONという印画紙についての検索結果を見ていると、最近はハンガリーなど東欧諸国製のモノクローム印画紙がだいぶ出回るようになって来ているようだ。その理由は以前にも書いたが、いわゆる先進国に於いてモノクローム印画紙に対する銀の含有率の規制が厳しくなって、結果的に同じメーカー同じ紙質であっても規制前の色調を表現できなくなってしまったことにある。特に黒の締まりに違いが大きく現れ、規制前にプリントしたものと色調を合わせることが困難になって来ているようだ。そこで注目を浴び始めたのが東欧諸国製の印画紙と言うわけ。EUに加盟していないクロアチアやハンガリーでは銀含有率の規制が無いために昔ながらの印画紙がいまだ製造されており、それらを求める各国からの注文が相次いでいるような状況らしい。
僕がモノクロームプリントから離れて久しいが、実は最も得意とするところだったのさ。なので様々な印画紙の情報や口コミ情報などを見ていると、沸々とあの頃の感情が甦って来て『やっぱ写真はモノクロームプリントに勝るものは無い』と勝手に思い込んでいる次第。実際、デジタル写真をフォトショップでモノクロームにしても、銀塩モノクローム写真には遠く及ばない。と言うか、まったくの別ものだ。
何度も何度も失敗してやっとたどり着いた、自分の納得する『黒』こそが、自分の『黒』であり、それ一つで自分そのものを表現するところにモノクロームの究極の面白さがあるのだ。

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