2009-05-08

思いを解放せよ



社会全体に蔓延する閉塞感は景気の悪化だけが原因ではない。今回の経済危機が起きる前、企業の多くは業績好調で中には過去最高の営業利益を確保したところもあった。しかしその影では過労と鬱に悩まされ精神を苛まれる者が後を絶たたず、社会問題化していたところにこの景気後退だ。毎日のニュースでは不景気が合い言葉となり、心を病める者のことなぞすでに忘れ去られてしまった・・
近代においては理性が最重視され、論理的且つ概念的に思考することがあらゆる場面で求められ、それが人の能力を測る尺度でもあった。その反面、感情的な言動や本能的な行いは野卑なものとされ、疎んじられて来た。しかし考えても見よ、そのいわゆる理性的な社会が冷静さを装った影で何を為して来ただろう。理性的であるはずの社会は幾度も戦争を繰り返し、あまたの人々の命を奪い今も苦しめ続けている。近・現代の戦争は感情的に起こされるケースはほとんど無く、そのほとんどは理性的な誤った判断によって起こされて来た。
現代社会に於ける鬱などの病気もこの理性と深く関わっている気がしてならない。人間本来が持っている感情や思いを理性によって押さえ込み、その解放されぬ思いが鬱屈して精神に影響を及ぼしているのではないか?本能的な領域はわれわれが生きる為の何かを常に発しているはずだ。それを長年押さえ込むことが原因で精神のバランスを欠くことは容易に想像ができる。

その思いを解放せよ。そして怒り、泣き、笑えよ。
まやかしの理性なぞもう要らない。論理的屁理屈を投げ打ち、直感的感情的に物事を見つめてみよう。
さすればそこに見えて来るものは、素っ裸の自分そのものである。

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