2008-10-15

クメールの涙


タイとカンボジアが再び銃火を交え、今回はカンボジア側に2名の死者が出たという。これにより益々両国の関係は険悪化し、もっと大規模の衝突が起きる可能性も孕み事態は予断を許さない。先日もこのような銃撃戦が起きたばかりであり、今回のケースは予測ができたというものの両軍ともあまりにも短絡な行動と言わざるを得ない。そもそもこの騒動の発端は両国の未確定国境線上にあるヒンドゥー教寺院『プレアビヒア』周辺の領有権争いによるもので、お互いに相手国の国境侵犯と先制攻撃を主張し非難し合うと言う、まるで子供のケンカのような呆れた状態だ。カンボジアにしてみれば政局が混乱しているタイの隙を突いて寺院周辺を実行支配し、プレアビヒア一帯の領有の既成事実化を謀りたいのであろうし、タイにしてみれば混乱する政局に対する国民の目をそらすには絶好の機会と捉え、大義名分を謳ってプロパガンダを盛んに行なって来るに違いない。まあ、いずれにせよその昔巨大な王国を築いたクメールの人々の建てた一寺院をめぐって現代の両国が争うなんて、どうしようもなくくだらない話だ。

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