2010-03-05

Box


雨だとばかり思い込んでいたものが晴れると実に気持ちが良い。気温もぐんぐん上昇し、外での作業も長袖のTシャツだけで十分だ。
こんなにすっきり晴れたのならと妻と二人でお雛さんを片付ける。ただ、7段飾りともなると人形や道具の数が多く、どこに何をしまえばいいのかさえも分からない。てきとーにやると、元あった箱に入りきらずもう一回やり直し、そんなこんなでしまうだけでも一苦労。
そのお雛さんを片付ける箱がこれまたレトロで興味深い。ただの箱ではあるけれど妻によると『おそらく1940年代のものだろう』ということだ。どうやらシアトルで魚屋を経営していた妻の祖父が、日本から送られてきたお雛さんをしまうためにこの箱を使ったらしい。箱は段ボールのようだけれど内外全面に蝋引きが施され、頑丈なつくりとなっている。perishable keep coolと書いてあるからひょっとしたら冷凍ものが入っていたのかも知れないし、氷で冷やした魚介など生ものが入っていたのかも知れない。ともかくそんな類いのものを入れる箱を流用するとは意外な気もするが、考えてみれば防水にもなるし頑丈だしで理にかなった選択だ。
ただの箱なのにこれ一つとっても味があり、物語がある。そこにはその箱をも大切に守って来た妻の祖母や母、叔母らの思いも詰まっている。

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