2009-04-29

妻の怒り


多くの人は知らないことだろうが、日本に住んでいる外国籍の人のほとんどは住民基本台帳に記載されておらず、よって住民票にもその名が載ることは無い。つまり、僕が世帯主として住民票を取ってもそこには妻の名は記載されておらず、僕と子供達の名があるだけだ。個人情報保護法が施行される前は住民票の閲覧が第三者であっても容易にできたので、よく結婚相手を紹介する業者などから『○○さんにぜひご紹介したい方がいるのですが・・』という電話がかかって来たものだ。そういう業者の多くは住民票を見て僕をsingle fatherと思い込み電話して来たのだろう。そこで『残念なことに妻がいるんですよね』と答えると、『そ、それは大変失礼しました!』と言って逃げるように電話を切ったもんだよ。
それもこれも住民票に妻の名が載っていない為に起こること。でもね、戸籍にはちゃんと僕の妻として載ってるんだよね。戸籍に載っているのに住民票には載らないとは不思議な話しじゃないか?日本に住む外国籍の人には外国人登録制度というものがあって、外国人登録証という一見免許証のようなものが渡される。これは常に携帯せねばならぬもので、これがあるから住民基本台帳に記載されなくとも良いと国は考えているようだ。しかし、外国人登録証と住民票ではその信頼度がまったく違う。様々な場面で自らの証明が必要なとき、多くの場合住民票を求められる。それが無いとなるとそこにワンクッションが生じ、住民票があれさえすればスムースに進むこともダメになってしまうことが多々ある。加えて外国人登録制度のことを知っている人も少なく、なぜ住民票が取れないのか理解している人などほとんどいない。

そんな中で『釧路川のクーちゃん』に住民票が発行された。アザラシのゴマちゃんのときもそうだったが、その報道を見て妻は怒り心頭、
『なぜ人間でもなく、納税もしていない「ラッコ」に住民票が発行されて、私たちにはされないのか!』と。
そら怒るわな。日本人と結婚し、子供も2人もうけ、永住許可も取り、はや十年近くも住み、その間ずっと納税していたにも拘らず住民票には載らないのだ。こんな理不尽なことは無い。最近は永住許可を取った外国籍の人を住民票に載せるような動きが出ていると言うが、それもどこまでやるのかまったく不透明だ。こんな状況も知らずに日本は国際化された国だと言う者よ、汝の無知を知れ。

ちなみに妻の場合、日本人と結婚してようが国籍はアメリカのままで日本国籍ではない。その点、勘違いされている方が多い。特に日本やドイツは国籍に関しては非常に厳しく、アメリカのようにその地で生まれたことを優先するのではなく、あくまでも血流を優先させている。為に日系ブラジル人が他国籍(中国人、韓国人を除く)の人と比べやたらと国内に多いのだ。日本人の血が少しでも流れていればその人のスキルに関係なく、ビザなどの発給に対して便宜が図られるいまの仕組みにも疑問を感ぜざるを得ない。

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