2009-04-07

水面を騒がすものたち


毎朝我が家の前を流れる川の様子を見るのが日課となっている。冬の零下に冷え込むような朝は川面より盛んに水蒸気が立ち上り、朝日を背景に見るその様は何とも幻想的で、僕の好きな風景の一つでもある。
川面を眺めながらJackieを連れて歩いていると、小雨のため水深20cmほどに水位の下がった川の中を、おびただしい数の真鯉があちこちで川面を乱しながらバシャバシャと活発に動き回っている。何をしているのか?と、しばらく橋の上から観察していると、どうやらメスが水草に産卵をしているようなのだ。その卵に精子をかけ子孫を残すべく、オスどもが我先にと争ってこんな騒ぎになっているらしい。一匹のメスを数匹のオスが必死に追いすがる様子は滑稽でもあり、鬼気迫るのもがある。我々人間が満開の桜を楽しんでいる裏ではこんな激しい『生』の争いが繰り広げられているんだね。

子孫を残すという目的に向けて『生』を全うしようとする多くの生き物に比べ、なんと人間の『生』の複雑なことよ。その複雑さこそが人である所以と言えなくもないが、その複雑さゆえ『生きる』ことの意味を見失ってしまう者も多い。それでも生きてゆかねばならぬのにだ・・

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