2009-01-02

迷い犬


今朝も冷え込みが厳しく、外は霜で真っ白でそこ此処には霜柱が立っていた。それらも日が昇るとスーッと消えていき、代わりに芝生の表面からは水蒸気が見え始めた。この様子だと午前中は時雨れることもなさそうなので、畑の周りに冬でも旺盛に成長し生息範囲を拡大しようとしている雑草どもを退治せんとて草むしりを開始し、昼を挟んで午後も庭に座り込み黙々と作業を続ける。
今日も実家に行かねばならぬゆえ、早めのJackieの散歩に出た妻が我が家のすぐ前の堤防まで戻って来て何やら叫んでいる。よく聞こえんので近くまで行くと『そこに大きい犬がおる!』という。『はあ?』とフェンスの外を覗き込むと確かに犬が居た!おそらく秋田犬の血を引いた茶毛の雑種で、大型犬の部類に入りそうな体躯をしているがかなりの老犬と見え、歩みに力なく腰も落ち込んで表情もどことなく虚ろな感じだ。目の辺りには目やにが流れた後が二筋しっかりと残り、時折咳き込むような仕草も見せる。始めは目が見えないのでは?と疑ったが、白内障にはなっていないようだ。ただ、視力がかなり落ちているのだけは確かだろう。赤い首輪をしていたので『どこかから逃げ出したのか?』と、捕まえて首輪に連絡先などが書かれていないか確認したが残念ながら何も無く、この犬についての心当たりも我々には無い。取り敢えず綱に繋いでごはんを出してあげたが、匂いは嗅ぐものの食べようとしない。そのまま繋いでおいてもどうすることもできないので、車に撥ねられないようなところまで連れてゆきごはんを置いといたが、その場にうずくまり動かなくなってしまった。家を出ねばならない時間が迫ったので老犬をそのままにして出て来たが、一体どういう経緯でこの老犬はこの寒空の下を彷徨わねばならなくなったのだろう?僕の動きに反応するその様子は常に何かを探している、求めている感じがして、それはおそらく飼い主が来てくれるのを待っているのだと思う。そう思うと余計に哀れな感じがして、実家に向かう車の中で妻と『もしこのまま飼い主が現れなかったら自分達で飼うしかないな・・』と、そういう方向で検討することに決めた。
夜、家に帰り老犬がうずくまっていたところを見に行くと、もうその姿はなかった・・
どこへ行ったのだろう?飼い主と出会えたのだろうか?そうであったらいいのだが・・

明日もう一度Jackieの散歩がてら周辺を探してみようと思う。なんか、まだそのへんに居るような気がしてならないからね。

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