2008-06-28

郷愁


先ほどNHKの世界遺産シリーズ『ウィーン』を何気なく見ていたら、どういう訳か胸が締め付けられるような郷愁にも似た激しい感情にの高ぶりに襲われ、どうしていいのか分からなく自分自身で戸惑ってしまった。そもそもウィーンに行ったことも無いのに何がそんなに僕を揺さぶるのか?ハプスブルク家の残した華麗な建築物群か?確かに素晴らしく一度は訪れてみたいと思うがそうではない。では今は大通りで囲まれた旧市街区の雰囲気か?これも惹かれることに違いはないが、それだけでは説明がつかない。面白いことにそのウィーンについての映像を見ながら僕の脳裏に流れていたのはウィーンとは全く別のところ、今まで僕が旅をしながら見て来た国々の様々な情景が、この番組をきっかけにして次から次へと思い出されてくるのだ。僕が郷愁のように感じ、感情を揺さぶられたのは過去の自分に対してではないのか?あの頃はバックパック一つ担いでどこへでも行くことができた。縛られるものも無くどこへ行くかはその場で決め、時間の制限も無かった・・以前から何度も書いているようにそういう環境から遠ざかってずいぶん経つ。もちろんそうしたいが今はそうできないことは十分承知している。日頃は押さえられているその感情も、ふとしたことから解放され一気に放出される。その度にとても切なくなるが仕方の無いことなのだ。このくすぶる感情をうまく誤摩化しながら時を稼ぎ、真に解放できる『その時』を腐らずに待ち続けようと思う。

For The People Of Tibet

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