2008-02-18

Balkan Dance


コソボが独立した。これでかつてのユーゴスラビアは7つの国々に分裂し、民族間の対立や経済の格差を残したままそれぞれの道を模索しながら進むことになった。今回のコソボの独立も人口の9割をしめるアルバニア系住民が押し切ったもので少数派のセルビア系住民の意向は無視されたかたちとなって、当然そこに不満は噴出し背後に控えるセルビア、そしてロシアの思惑も交錯してきな臭さが漂い始めている。近世において『世界の火薬庫』と言われ続け、実際世界大戦のきっかけともなったバルカンはここに来て再びその首をもたげ『オレの出番がまわってきたぞ!』と、せせら笑っているようにも感じられる。
先のコソボ紛争では1万人以上のアルバニア系住民がセルビア軍の手によって虐殺された。その恨みは消えることなく不気味な静けさの中で受け継がれ、一方的な独立宣言というかたちでまず現れた。岐阜県とほぼ同じ面積の国土に200万人もの人口を抱えるこの地域最貧国の新コソボはこれからどこへ向かうのか?セルビアやロシアは今後どう出るのか?西側諸大国や、周辺の不安定国家も巻き込みながらコソボを中心としたバルカンは日々熱を帯び、その存在感を一層増している。

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