2007-09-01

自己責任


『自己責任』この言葉を聞くとイヤな気がするのはイラクでの人質事件があったからだが、よもや今回の韓国人人質事件でもこの言葉を聞くことになろうとは思わなかった。確かに危険な所と重々承知して敢えてそこへ飛び込むのだから『そんなんお前の責任だ』と言われればそれまでだ。目的が個人的利益や興味のために行ったのであれば反論の余地は無いとしても、精神的救いを与えるための宗教活動や慈善活動、その他諸々の、イラク人のために良かれとして行なっている活動の遂行中に起きたことについてまでも一緒くたに『本人達の責任だ』と切り捨ててしまうのは如何なものか?と思う。何か事を成すにはリスクは付きものなのに何もやらない人間が『それ見たことか!』と言わんばかりにあげ足を取り、『自己責任だ!』と攻撃する。人質の救助に多額の税金を投入することは納税者として納得できない面があるのも良く理解できるが、そもそも日韓とも国が行なっているイラク国民のための支援が内実アメリカのための支援か、イラク一般国民の民意からかけ離れた押しつけ的な支援のため、その大きな穴をカバーするためにNGOや慈善団体が活動しているのだ。言い換えれば国がしっかり支援を行なってさえいれば、NGOなどがイラクに入る必要などなかった。結果的に国のイラク支援政策が今回の人質事件のきっかけを作ったとも言える。だったら国の代わりにイラク国民に手を差し伸べてくれた人々をいくら税金を使おうが救いだすのは当たり前の事だろう。人質達は言った『誘拐された時より、いつ殺されるか?と怯えながら監禁されていた時より、帰国してこんなにも多くの人々が自分達を嫌っていると知った時の苦しみの方が遥かに大きかった・・』
どうも我々は出る杭を打たねば気が済まんようだ。
身の危険も顧みず他人のために尽くそうとする人々を助けるどころか痛めつけようとする。今のこんな国からは未来をしょって立つような人間が生まれるはずもない。

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