2013-09-28

友よ、














友よ、君がダウラギリ峰で遭難したとの一報を聞いてから3年が過ぎた。
ここに至ってもまだ僕は君がやろうとしていたことを確かめずにいる。
正直、どうしたらいいのか分からないんだ。『行かねば・・』とは思っているがどうもその一歩が踏み出せない。確かに家族の都合で・・という理由はあるがそれは言い訳なのかもしれない。
『君はほんとに死んだのか?』いまでもたまにそう思うことがある。先日も君に面影がそっくりな人を見て『ドキッ』としたことがあった。昔の仲間が言ってたように『駅でバックパックを背負った人を見ると、彼がふらっと帰って来るような気がして・・』というのもよく理解できる。

友よ、先月まで僕は毎週のように富士山を望める現場に出張していたが、僕にとって『富士』といえばまず君を思い出す。君は富士山頂より手紙をくれ、海外登山に向けての高度順応トレーニングをしていると書いていたよね。僕はその山頂を眺めながら『君はその高さの倍以上の山を登ろうとしていたんだ・・』と仰天するばかりだよ。まったく大したヤツだよ君は。
僕はもうしばらく地べたを這って生きるからさ、まあゆっくり峰の上からでも見下ろしていなよ。

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