2011-06-08

違い


国際センタービルの一室に、月に一度だけ開かれるアメリカ領事館。中は何の変哲も無い会議室なのに、そこに入るまでのセキュリティーがなかなか厳しい。合計3つある重い扉はすべてリモートロックがかけられ強制突破は不可能で、おそらく少々の爆発ではびくともしないだろう。ビルの外、一階ロビー、そして領事館のあるフロアには警備の者が巡回していて緊張感が漂う。
しかし、その重い扉を開けると僕達よりも若いんじゃないか?と見える領事が気さくに出迎えてくれ、持参した書類に目を通しながらにこやかに手続きは進んでゆく。この領事、細かいことは一切気にしないようで『なんでもいいさ』みたいなノリで、スターバックスコーヒー片手にどんどんサインしてゆく。その会議室には他にも何組かの申請者がいたが、和気あいあいとした雰囲気の中で緊張感はまるで無い。
妻があることを質問すると『その問題に触れると話がややこしくなるので、そのままOKということにしてスルーしちゃいましょう』と、臨機応変というか適当というか、そのいい加減さが頼もしかった。久しぶりに『アメリカの空気に触れた』そんな感じがした。

無事アメリカ側の手続きが終わり帰宅すると、すぐに今度は日本パスポートの申請に向かう。そして窓口で申請書を提出すると、いきなり『お子さん(三女)のサインはお父様がされたのですね?』と聞く。『赤ちゃんなので当然だ』と答えると、『お父様がひらがなでサインされると誓約書が必要になるか、もしくは申請書を書き直していただくことになります』と言うじゃないか!
ひらがなでサインしといた方が将来的に三女が読めるだろう、ということで今回わざわざひらがなを使用したのにそれがダメだと言う。しかも代理署名は漢字じゃないとダメなどとはどこにも書いていない。そこで罪無き窓口のお姉さんに厳しく抗議すると、『聞いて来ます』と言っていったん引っ込み、そして『確認したら今回はひらがなのままでもいいことになりました』と一件落着。
しかしだね、そんなこたあーどうでもいいことじゃないの?なんなんだろうこの日本とアメリカの対応の違いは。どちらが『良い』『悪い』というレベルの話じゃなく、単純に両国の『違い』を実感させられたよ。今回に限ってはアメリカの方が断然オトナの対応だったな。

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