2011-06-06

一考


そのプレマシーを受け取りにマツダへ向かう途中、奇妙な光景を見た。
片側2車線の幹線沿いにある巨大パチンコ店の駐車場に若い兄ちゃんが立っていて、格好からするとパチンコ店の店員に間違いはない。その彼がパチンコ店の駐車場を背にして歩道に立ち、そして道路をビュンビュン飛ばしてゆく車に対していちいち深々と頭を下げているのだ。
実は最近不具合の修理やらで頻繁にマツダに通っているが、その都度彼を見かけていて『なにしてんだろ?』程度には感じていた。その時は頭を下げる様子を見なかったのでさして気にも留めなかったが、ちょっと今日の道行く車すべてに対してお辞儀をする行為には異様な印象を受けた。そこでマツダの馴染みの営業さんに『あの子なんで頭下げとるんやろ』と聞いてみると、やはり彼も知っていて毎日立っているという。そして『新人教育の一環じゃなかろうか』ということだった。
『新人教育ね〜』果たしてあの行為にどれほどの意味があるのだろうか?僕には単なる罰ゲームのようにしか見えなかったがいかが?
確かにひたすらお辞儀を繰り返す行為を続けるということに対しては精神的な忍耐力がつくかも知れないが、とうてい今話題の『おもてなしの心』を育むことにはならないと僕は思う。それよりも『何でこんなことさせやがる』といった怒りや憎しみに近いものを生んでしまいかねないのでは?とさえ思う。いや、一線を越えた者ならばその無意味ともとれる行為から独自に喜びを見いだし、修行として自分を磨くかも知れないが、そんな者はごく僅かだろう。

一瞬の出来事だったが、その後あれやこれやと余計な詮索をしてしまったよ。まったく大きなお世話かも知れないね。
ただ彼が楽しくやっているのならばそれで良し。それだけのことだ。

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