とてつもない大風が吹き荒れ、朝方の春の気配を孕んだ空気をどこかに吹き飛ばしてしまった。
現場は一日中砂塵が舞い、目はゴロゴロとして常に違和感を伴う。強風の中、大いに難儀してブルーシートを広げると、あっという間に風が潜り込み順風満帆、人をあざ笑うかのように乱れに乱れ、暴れ回って手元から逃げてゆく。それらをようよう押さえ込んで土嚢をはじめあらゆるものを使って固定してゆく。それでも往生際悪く、風が吹き抜ける度にバタバタとはためいて逃げ出す隙を虎視眈々と狙っているかのようだ。その風景は波立つ海に似て、生けるがごとし。
唐突に波照間島の事を思い出し、そうだ、またあの季節がやって来たな・・と、少しセンチメンタルな気分に浸ってしまったよ。
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