2010-06-29
アメリカの闇
アメリカ連邦最高裁が地方自治体の銃規制に違憲判決を下した。
あまりにアホな判決に、アメリカのことなんか知ったことか、勝手に銃で撃ち合って死んじまえばいい、という突き放した見方も出来るが、妻がアメリカ人で娘たちもアメリカ国籍を持ち、友人知人が多く居るアメリカのことゆえ、こういった判決を見過ごすわけにはいかない。
『武器の所持は自己防衛のための米国民の権利であり、銃の規制に関しては憲法違反である』という最高裁の判決は、厳しい銃規制を続け、銃による殺人事件を半減させて来たシカゴ市などの努力をまったく無視するもので、いくら最高裁判決といえども到底受け入れられるものではないだろう。『自己防衛のための銃が実は人を殺すために数多く使われている』アメリカ人の多くはそう思っていることが確かなのに、なぜこういう法案が通ってしまうんだろう?
どう見ても今回の判決はアメリカ国民のためではなく、政治的なものやキチガイ集団であるNRA(全米ライフル協会)のごり押しで為されたもので、この辺りの不可解さが『アメリカ的ねじれ』の最たるものだろう。いつしかアメリカから正義は失われ、利権が支配する巨大な欲望の国に成り下がってしまった。僕がアメリカに滞在する度に感じる違和感はこの風潮から感じるものだ。確かに『アメリカンドリーム』は今でも生きている。しかし、そこに価値を見いだせない者にとっては、ただの強欲の国としか感じない。もちろんこれは闇の部分だけを見た極論に過ぎず、日本には無い良い面をたくさん持っている。ゆえに光と闇の格差が大きく、グレーゾーンに慣れ親しんでいる我が身には相容れないものなのかも知れない。
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