2010-06-20

大義と欺瞞


最近増えているのが『オール電化にしませんか?』という営業訪問だ。今日もその1人と応対したのだが、彼らが一様に言うのは『月々のガス代が6千円以上ならば、エコキュートを導入したオール電化の方が将来的に安くなります』ということだ。そこで僕はこう切り返す『残念ながらウチは年で平均すると月々のガス代は6千円を超えないため、オール電化の必要がない』と。大抵の営業さんはこう言うと『そうですか・・』とだけ言って立ち去ってゆくが、今日の営業さんはしつこかった。彼は言う『環境のことも考えるとオール電化が望ましい』と。その言葉は聞き捨てならんかったので、前にこのブログでも書いた持論をまくし立ててやったのだ。
なるほどオール電化だと確かに二酸化炭素を排出しない。しかしその電気はどうやって作る?電気のすべてが太陽光・風力・潮力・波力・水力などで発電できるなら、ある意味環境にやさしいエネルギーと言えるだろう。しかし実際はそのほとんどが火力発電であり膨大な二酸化炭素を排出している。加えて経済産業省が強力に推進する原子力発電は二酸化炭素排出量が少ないのを利点としてクリーンエネルギーなどとほざいているが、老朽化して解体された原子炉の処理方法は未だ定まらず、行き場のない放射能汚染物質が満ちあふれている。すなわちこれらは未来への負の遺産になることが現状に於いては確実で、将来画期的な処理方法が見つからない限りとんでもない時限爆弾を子供達に残すことになってしまうのだ。それを知った上での『環境に良い』なのか?
あまりこの営業さんを問いつめても酷なので丁重にお断りして去ってもらったが、浅はかな物言いが巷に溢れ過ぎてやしないか?まあ、いつの時代も同じだろうが、こと原子力に関しては大きなつけを未来にまわしてしまうことが確実なだけに、その事実を覆い隠した経済産業省のやり方は許しがたい。

我々は常に大義を装った欺瞞を見抜く目を備えねばならない。

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