2010-06-11

奇跡


奇跡なんて言うと大げさかも知れないけど、今日起こったことは僕にとって奇跡としか言いようのないことだった。

それは現場からの帰宅途中で起こった。いつも通る堤防道路を快調に飛ばしていると、前方に橋の下をくぐるアンダーが見えて来た。対向車も何台かいる。緩やかな右カーブになっているこのポイントを通過しようとした時、対向車の一台目がすれ違った途端それに続いていた2台目が僕の進路を完全に塞ぐかたちでUターンして来たのだ!その後のことはスローモーションのようにはっきりと憶えている。その時の僕の速度は70kmほどだったろう。このポイントは対向車がUターンして堤防道路から橋の上へ出ようとする特殊な交差点で、以前にもバイクできわどい思いをしたことがあったのだが、今回は確実に事故ったと思った。僕の進路を塞ぐ対向車は急ブレーキを踏んで止まり、そのフロント部が僕のロードスターの目前に迫ったのだ。次の瞬間僕は『ぶつかる!!』と、大きな衝撃波を予感したが、衝撃は無く接触せずに回避できたようだった。もちろんすぐに車から飛び出して相手の運転手を『何しとんじゃ、お前!』と怒鳴りつけてやったが、いま思い出しても何で衝突を回避することが出来たのかよく分からないのだ。あのままぶつかっていたら僕は車ともども河川敷まで転落していっただろう。そして改めてロードスターの凄さを思い知ったのだ。もしあれがロードスターではなく他の車だったら間違いなく衝突は回避できなかっただろう。『ぶつかる!!』と思ったあの瞬間、ロードスターはぎりぎりの所で相手の車をかわすことができたのだ。その運動能力の高さは想像以上だった。
今日の出来事はロードスターの真髄を僕に知らしめた。そしてこの車に乗る喜びを更に深いものにしてくれた。相手の運転手を怒鳴りつけたとき、彼は言った『ぶつからなかったんですか?』と。僕は『らしいね・・』と答え、動悸の高まりを感じながら『ここはやっぱスピード落とさないかんな・・』と、反省しつつギアをローに入れたのだった。

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