2009-09-20

山岳寺院探訪


良いお天気なので、子供の頃より何度となく訪れたことのある実家近くの円興寺山を弁当を持って訪ねることにし、いざ山に分け入る。表参道の入り口には大きく『熊出没注意!』という新しい看板が掲げられており、最近よく目撃されているらしい。ふと昨日の乗鞍岳畳平での熊による襲撃事件が頭をよぎり、看板近くに立ててあった杖を握りしめて登り始める。しばらく進むと平坦場に熊捕獲用の巨大なネズミ捕り式の檻が儲けられており、中にあった生々しい寄せ餌がさらに緊張感を高める。一方子供達は短い棒を拾って来て、きゃあきゃあ言いながらはしゃぎ回っている。これなら熊も恐れて出て来ないだろう。
子供の頃に慣れ親しんだ山道を、こうして子供の手を引きながら歩こうとは不思議な感じがする。何となく当時の自分の父親が考えていたことが想像できるような気さえし、弟と一緒に走り回っていた頃のことが鮮やかに甦る。
展望台にて弁当を時間をかけゆっくりと食べ、寺院跡を経由して裏参道へと下りてゆく。裏参道は一帯が湿地帯でマムシの出没も多く、今では立派な遊歩道が据え付けられているが、子供の頃は丸太が渡してあるだけで滑りやすく何度も転んだものだった。
その遊歩道脇には小さな沢が平行しているが、その流れが浸食した跡をよく見ると五輪塔の一部が露出していた。一人沢に下りてもぞもぞやっている僕をほっといて妻や子らはどんどん進んでゆく。

普通に歩けば一周するのに1時間もかからないお手軽コースなのに、自然あり史跡ありで十分楽しめる良い自然道だ。これからの季節、こんなコースを経巡りながら自然を満喫しようと思う。

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