2009-09-18

ある現実


生活保護を受けるようになった橋の下の住人2人は、それぞれがアパートを借り新しい生活を始めているはずだった。しかしSじいさんはよほど橋の下のほうが居心地がいいのか、昼間はほぼここに居て時間を潰しているようだ。そんな彼の様子を見ていると橋の下に来ては酒を飲み、酒に呑まれて酩酊し、ぶっ倒れているばかり。おまけに市が解体したであろう彼のバラック小屋跡に集めてあったゴミ類を、酒に酔った勢いで辺りに投げ散らかし、まさにやりたい放題。ちょうど今朝はゴミ出しの日でもあったので、ゴミ袋を持って小さめのゴミを拾っていると、彼が昼間寝ている場所に小さい紙切れが散乱していたので『何だろう?』と見てみると、そのすべてが競輪などのギャンブルのチケットだった。

彼を助けるための生活保護費で彼は日々飲んだくれ、賭け事に興じている。それでも彼を責める気にはならない。ゴミを散らかすことは許さないが飲んだくれる彼の弱さは彼自身の問題だ。
ただ皮肉なのは彼を救うべき生活保護が、かえって彼を堕落させてしまったということ。
何処かで聞いたことがある展開。そう、それは人ゆえ。

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