2016-08-15

終戦の日














時々こう思うことがある。
自分は今43歳だが、戦争が終わったのは自分の生まれる僅か28年前の出来事だった・・とうことだ。これは感覚的なことなのでうまく説明できないが、子供の頃は戦争はずっと昔の出来事のように感じていた。それが歳を重ねてくると上述のように28年という月日がついこの間というように感じてくるのだ。
戦後71年目を迎えた今日、蒸し暑い空気のなか母方の祖父の墓参りに出かけた。
毎年述べているが祖父は戦時中南太平洋に浮かぶトラック諸島の守備隊として守りを固めていた。戦争のことについては僕が高校生の時に腰を骨折して入院中、祖母と一緒に見舞いに来てくれた際に話してくれた。その時の祖父は珍しく饒舌で、病院のベッドで退屈していた僕には非常に興味ある話だった。もっともっと詳しく知りたかったが祖母が『戦争の話なんて・・』と言って止めてしまい、それからも機会があるごとに聞き出そうとしたが、あの時のように語ってくれることはもはや無かった。今となっては悔いているし、残念だと思う。
祖父の所属していた部隊がどこで何をしていたのかは、おそらく軍歴を調べれば分かることだろう。だた、まだ若かりし祖父が南太平洋の小島で米軍のグラマン戦闘機の猛攻に耐えながら何を考えていたかは誰にも分からない。そういった兵士の思いはやはり伝えなければならないことだろう。
祖父は正月の集まりの席で酒に酔いながら『オレは島でサツマイモばかり食べて生き延びたんだ。だからもうサツマイモは食べない』と、よく言っていた。それを子供心に『たくさん食べ過ぎて見るもの嫌になったんだ』と理解していたが、いま思うと一緒に戦っていた戦友たちの死など、辛い戦争体験がサツマイモを通して蘇るので嫌ったのではないかと考えている。
そういったことも含めて直接祖父の口から聞きたかった。
墓を前に、『じいちゃんよ、何を思いながらこの空を見上げてたん?』と、手を合わせてきた。

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