2014-10-21

香港浮沈














1997年7月1日、香港が中国に返還されたその日、僕は現地に居てその様子を見守った。
テレビでは早朝から兵員輸送車に乗った中国兵が、国境を越えて香港入りする様子が流されていた。
以前にも書いたがその日の夜、重慶大厦のエレベーターで同乗した白人女性が何とも言えない表情で『welcome to China・・』と呟いたのをよく憶えている。
当時、皆は不安でいっぱいだった。いったんは中国政府の一国二制度によってその不安は誤摩化されて来たが、いよいよ中国が本性を現して来た。こうなることは以前から予想されて来たことだが、それに頑強に抵抗しているのがイギリス統治時代をあまり知らぬ学生達という所がポイントだと思う。彼らは過去への郷愁ではなく純粋に民主主義を欲し、それが当然叶えられるべきものだと信じている。だが、中国政府の管理下でそれが認められることは無い。今日の会談も当然物別れに終わり、今後の展開が予断を許さぬ状況となっている。中国政府は天安門の時と同じように学生の民主化要求など踏みにじれると思っているだろう。中国政府による反日教育が強化されたのも天安門事件以後で、彼らは反日感情を煽ることで民主主義への欲求を国粋主義への高揚へとすり替えてきた。
それが香港の学生達に通用するとは思わないが、果たしてどういう手を打って来るか?
どちらにせよ狡猾な手段で学生達を潰しにくるのは間違いない。一方の学生達に打開策はあるのだろうか?

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